【臼蓋形成不全】保存療法で成功するコツ


 よつばのクローバー
おはようございます!


変形性股関節症の方で、
「筋肉のトラブル」を抱えていない方はまずいないでしょう。
「股関節の使い方」も同様です。
この2つはセットです。
保存療法で解決の手段を導くならば
両方とも同時に改善を図っていく必要があります。


経過の短い方では、
筋肉を緩めるだけでも楽になるかも知れません。
先天性の脱臼があったり、
小さい頃の姿勢や歩きに癖があるような場合、
または経過の長い方では
筋肉をほぐし、さらに身体の使い方まで
診てもらうよう心掛けましょう。
筋肉を緩めるだけでは、症状を繰り返すことが多いからです。


特に未手術を望むのであれば、
日常動作に対する配慮は欠かせません。
痛みをかばい始めると、負担になるような身体の使い方は
一気に身についてしまいます。
ご自身で痛みをマネージメントする上でも大切です。
できるだけ早い段階で専門的な指導を受けることをお勧め致します。


例えば、普段の歩き。
皆さんはどんなことを考え、歩いていらっしゃいますか。


黙っていても脚は出てくれるし、勝手に身体を支え、
前に進むことができる、これが、人間の歩行です。


ところが、
健常者であれば15分、20分歩いても問題がないのに、
痛みが出てしまう。少し休めばまた歩けるようになる。
これが変形性股関節症の方の歩きの特徴でもあります。
“何か”が上手くいっていない証拠です。


股関節症の方では、
本来力の入れる必要の無い場面で力み過ぎています。
どんなに頑張っても、
身体にとって負担になる動き方は、全て、
疲労や痛みとなって返ってきます。


大事なことは、
股関節症ならではの“がんばりどころ”を理解することです。


股関節の外側、
大腿筋膜張筋にだるさ、痛みを訴える方が多いですね。
これも典型的な症状です。
力の入れどころを誤ったがために筋肉への疲労が蓄積し、
生じた痛みです。


中には、
下の図のようなエクササイズを行い、
余計な筋肉疲労を招いている方もいらっしゃいます。
注意が必要です。





筋肉を鍛えようとする意図は伝わりますが、
これでは誤った身体の使い方を助長しているようなものです。
効いているように感じても実は長期的には負担になっている。
可動域の問題が避けられません。特に未手術の場合には。


普段の動作では、
必要なときに必要な分だけの力があれば、それで十分なのです。
それをいきなり量を付けようと各種専門家が促すので、
お尻を突き出したような姿勢や歩きに象徴されるように
“出来栄え”に影響を与えるのです。


最後に、身近な乗り物でもある自転車を例に
股関節の動きをイメージしてみましょう。


漕げが前に進む、それが自転車です。


あまりにも身近な乗り物なだけに、
そのメカニズムを深く考える機会すらありませんが、
私が取り組むトライアスロンでは、
その後のランに繋げるためにも、
いかに下肢の筋力を温存し効率的に漕ぎ、
省エネ走行を実現するかが、
完走はもちろん上位を争う上でも鍵になります。


そのために事前に知っておかなければならないのは、
自転車を駆動するときの力の“入れどころ”と“抜きどころ”、です。


自転車では、
推進力に換わるのは、だいたい0時〜6時の間だけです。


それ以外の箇所では、
いくら力をかけ踏んでも、
全て反発力、身体への疲労となって返ってきます。



参照)バイシクルライディングブック 竹谷賢二


また、踏み込んだ際、
働く筋肉は太ももの前面、大腿四頭筋、
その後、後ろの大殿筋やハムストリングスというように、
時々刻々と変化していくものです。


これは、
実は、皆さんの歩きも同様で、
踏ん張りどころを理解し、正しく荷重さえできていれば、
バランスの良い股関節周りの筋肉が仕上がります。


ところが、
股関節症の方では、
杖の使用を促されたり、
極端な前傾姿勢や体重の乗せるポイントが微妙にずれることで、
本来働かなくても良い筋肉に負担をかけ、
結果バランスを失い、
いつの間にか太ももの前面側面が異常に発達した筋肉、
お尻が極端に痩せた筋肉に様変わりするのです。


保存療法を成功させるためのコツは、
日常生活動作での“がんばりどころ”を理解することです。


椅子からの立ち上がり方。


皆さんはどんなことを考え、立ち上がっていらっしゃいますか。
頼りになりそうな引っ張るもの、
支える場所を探してはいないでしょうか。


がんばりどころを間違えている可能性があります。
股関節をかばうことができても、いずれ他の箇所へ痛みが訪れます。


労わることで新たな痛みを作っているとも限りません。
2重3重の痛みが引き起こされる前に、
日常動作の再チェックが必要です。


まずは専門家からの正しい知識、
そして、できる範囲での実践です。


はじめはトレーニングの時間、道具すら必要ありません。
通勤中、普段の家事動作から日々の生活動作を整えていきましょう。



 


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【臼蓋形成不全】進行を促す「力」とその「対応」


よつばのクローバー
おはようございます!


(西洋医学の世界では)
変形性股関節症へと進行し易いといわれる
骨の特徴的な形状、
「臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)」。





これまでも数多くの臼蓋形成不全患者さんに
御会いして来ましたが、
臼蓋形成不全があっても、
早期に適切な対応がなされていれば、
変形性股関節症へは進行しない、というのが現在の私の結論です。


実際に医療機関では、
臼蓋形成不全=手術、の構図を示し、
痛み止めや簡単なリハビリ指導でしのごうとします。
積極的に進行を妨げるような治療が行われているのはごく僅か。
現在の股関節痛治療は、手術を待つだけの医療、
こう思われても仕方がないのかも知れません。


保存療法の観点から
臼蓋形成不全をみた場合、


これまでも研究報告がされているように、
屋根の被りが浅いと、
物理的に、どうしても、



大腿骨の骨頭(こっとう)といわれる部分が、
外に弾かれるような力が加わりやすくなります。


この力の影響で、
関節内の軟骨や関節唇、
または骨や関節周囲に付着する筋肉に影響を与えることがあるのです。


整形外科の先生方は、
骨盤や大腿骨を切ったり削ったり、関節の形を整える」ことで
余計なストレスを減らそうとしますが、
私から診た場合、
こうしたストレスになるような力も、
「身体の使い方を整える」ことで、十分にコントロールが可能です。


しかしながら、実際の方法論に関しては、
保存療法ではまだ確立されたものがありません。
相変わらず病院では筋力トレーニングが主体です。
色々な考えがあることも理解できますが、
早期に痛みの改善も導こうとするならば、
私が自信をもってお伝えできるのは、次のふたつです。


一つ目は(専門家の手による)ケアです


臼蓋形成不全の方は、
骨形態の影響を受け、股関節の使い方に特徴があり、
股関節周りの筋肉がかたく強張り始めます。


片方の股関節周りには、
約20本以上もの筋肉が存在しているといわれています。
その筋肉を一本いっぽん、健康状態をチェックしながら、
まずは、“治療的なほぐし”を行うことをお勧めします。
これだけで、
かつてあった動きの不具合や痛みが楽になることを
実感できるでしょう。


しかしこれだけでは、
股関節症の保存療法は、終われません。
他人に“やってもらうだけの保存療法”には、限界があります。


先にも述べましたように、
保存療法の最終目標は、
自ら、股関節への余計なストレス避ける動き方を学ぶことです。


そのために必要なのが、日々のトレーニングです。


トレーニングとはいっても、
何も堅苦しく考えることはないでしょう。


いわゆる一般的に保存療法で扱われるような
プールや筋力トレーニング、
これらは、興味があればはじめても良いかも知れませんが、
私は無理にはお勧めしません。
冷えて辛い、筋トレで痛くなった、との声は頻繁に聞かれることです。
好き、嫌い、合う、合わない、個人差もあるでしょうから、
自分が納得できる、
心底受け入れられるものから取り掛かることが、
痛み治療の鉄則です。


外出好きな方は、歩いたって構いません。
インドア派な方は、お家に居たって結構です。
ただ、大事なことは、
歩く際には体重の乗せ方や階段の上がり方。
お家に居るのであれば、
椅子からの立ち上がりなど日々無意識の内に繰り返される
股関節に負担がかかりそうな日常動作に気を付けることです。


細かいことでもありますが、
普段の営みには欠かすことのできない動作の数々。
痛みのあるこの時期だからこそ、
どれだけ細心の注意を払えるかが
股関節症を進行させないためのポイントでもあります。


特に股関節に負担がかかるとされる、
床や椅子からの立ち上がり、それと姿勢、歩き方。
この3種目は、最低限しっかり抑えておきましょう。
今、確認しておけば、
今後80、90歳となったときに、その成果を実感いただけるでしょう。


メスをいれるに至ようなひどい状態になるのを
防ぐためには、
日頃からのケアとトレーニングの意識です。


かつてあった痛みを乗り越え、
今生活を楽しむ皆さんが口を揃えて仰るのは、
「難しく考え過ぎないこと。」
これが、股関節痛からの解放への秘訣だそうです。


登山家の栗城史多さんが、
凍傷になった両手指と戦っておられれます。


どの医師も切断との診断を下さす中、
あらゆる方法を駆使され、“切らない治療”に
取り組んでいらっしゃいます。


「指は僕にとっての家族であり仲間。常に頑張って僕を守ってくれた」
 

手術もひとつの方法です。
ただ、その後のリスクやリハビリの辛さ、
さらには術前との違いを受け入れられない心境の苦しさを
間近で見つめていると、その選択には慎重であるべきです。
臼蓋形成不全があり、
たとえ、骨の形は元に戻さなくても、
痛みを克服できている方たちは大勢いらっしゃいます。


股関節症に対する保存療法は
まだまだ認知の薄い分野です。一部の情熱溢れる治療家と、
勇気ある皆さんの行動力のお陰で成り立っています。
それでも、少しずつ理解が広がり始め、
積極的にケアをしたい、
日常動作を正したい、との問い合わせが
日本全国あちこちから聞かれるようになりました。


保存療法は、
病院での股関節診療においては、まさに谷間におかれています。
患者さんの要望に傾聴し、
新しい発想をもっと若い医師たちが育ち、
熟練の経験ある理学療法士がともに協力し合えれば、
きっと患者さんが待ち焦がれていたような
理想的な治療方法が確立されることでしょう。


ただ、医療の改革を待っていても、
何も始まりません。
股関節痛の治療とは、時間との戦いでもあります。
今ある環境の中から、何かに取り組まなければなりません。


臼蓋形成不全、手術を宣告されたら、
まず、上記に示した保存療法、
筋肉へのケア、そして日常動作からのトレーニング、
是非実践してみてください。


いつでもご相談をお受けいたします。




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【臼蓋形成不全】脚長差とインソール〜保存療法編〜


よつばのクローバー
おはようございます!

【12月ご予約状況】

場所:銀座
日時:
◆平成24年12月5日(水) 午後3時
平成24年12月7日(金) 午前10時30分
御希望の方は、こちら からお申し込みください。
よろしくお願い致します。

お申し込みをありがとうございました。




脚長差(きゃくちょうさ)は、何も手術後の影響だけでなく、
“愛護的な保存療法”、
御自身の判断による生活だけでも、
生じることがあるので注意が必要です。


特に、極端に痛みをかばうような身のこなし、
杖を絶やさない日常生活、
更には、そこへ活動度が一気にプラスされることで、
関節症が加速し、脚長差をきたす恐れがあります。


先天性の脱臼や
臼蓋形成不全との診断、
脚の長さに左右を感じるようになったら、
専門的な指導、早めのチェックを受けることをお勧めします。


Aさん、40代女性です。
臼蓋形成不全を抱え、脚長差を感じるようになったのは約6年前。
※掲載のご承諾をいただいております。


いつもズボンの裾が擦り切れるのが気になっていた、
つま先で立つようになっていた、
と仰るように徐々徐々に脚長差が現れ始めていました。


セラピー当初と2年後の様子です。





これまで約2年間、徹底的に身体の使い方、歩き方を整えることで
前傾気味だった身体は起き始め、
新たにインソールを導入することで歩行時の痛みも軽減され、
今では再び週5日の立ち仕事もこなせる程に回復しています。
担当医に手術を勧められることも無く、
まずは安定した状態を維持しつつ更なる機能の改善が目標です。


脚長差に関しては、

「2cm以内であれば姿勢に与える影響は少ない。」

参考:Brand: Effect of  leg discrepancies on forces at the hip joint. Clin Orthop 1996 
    岡野:両側変股症に対する片側人工股関節置換術後の脚長差と荷重脚の変化 中部整災詩 1998
     古木:片側性変形性股関節症患者の脚長差について 理学療法学 1997

また、一方で、

「2cm以内の脚長差が側弯や骨盤傾斜、跛行や腰痛の原因になる。」

参考:Turula et al: Leg length inequality after THA. clin Orthop 1986


など意見も分かれ、
統一した見解が得られにくいところですが、
決め手となるのは、やはり、
その方の個性を最大限に活かせるかどうか、
だと思われます。


股関節症の方の場合、
インソールを効かせることで、
「正しい重心移動」と「足裏アーチ」が確保しやすくなります。


歩く際には通常ひとは、
踵から着いて、親指へと抜けていきます。
正確な軌跡を描ければ、
本来働くべき筋肉もしっかり働けるようになります。


また荷重時に活躍するアーチ。
股関節症の方は扁平足であったり、外反母趾であったりして、
アーチが崩れ、機能しにくくなります。


下の図は、
脚長差が「ある」「なし」での歩きの違いを示したグラフです。




参考:Bhave A:Improvement in gait parameters after lenghening for the treatment of limb-length discrepancy. J Bone Joint Surgery 81-A 1999


脚長差があると、
どうしても最後の蹴り出しが弱く、
体重の乗せる量、時間伴に減少してくるのが分かります。


蹴り出しが無くなると、
前進するためのエネルギーを何とか工夫しなければなりません。
それが、
変形性股関節症の方に共通してみられる特徴的な歩き方です。
股関節周りには筋肉のコリが生まれ始め、
可動域制限、
更には、主要な筋肉の筋力低下が起こり始めます。


脚長差に対する対応は、
しっかり全身をくまなく診て、
状況に合わせた選択が望ましいでしょう。


皆さんの身体には、
これまで発掘されてこなかった潜在的な力が備わっています。
“眠った能力”です。
誰かが呼び起こさなくてはなりません。


たとえ股関節専門外来にかかっていても、
的確な指摘を受けずに、過ごされてきた方が多くいらっしゃいます。
新たな視点を武器に歴史を変えたいところですね。







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【臼蓋形成不全】脚長差の原因〜RAO自骨術編〜


よつばのクローバー
おはようございます!

【11月ご予約状況】

場所:銀座
日時:平成24年11月25日(日) 午後1時30分
御希望の方は、
こちら からお申し込みください。
よろしくお願い致します。

受付を終了しました。



「もっと痛みを広く勉強したい。」
当時、独立を決意した理由でした。

股関節痛の保存療法に取り組み始め
まだ1年足らずではありましたが、
その時実践していたマニュアル的な手法だけでは、
到底「解決」には及びませんでした。

「解決」とは、
股関節痛に関していえば、
痛みがすっかり消失することをイメージされる方も
多いかも知れません。もちろんこれが理想です。

しかし、ここまでは難しくても、
御自身で管理、痛みをコントロールする、
これは、どなたでも実現可能です。

まず皆さんに知っていただきたいのは、
御自身の、“股関節痛の特徴”です。
これが痛み治療の第一歩です。

そして、先週末、
医師を中心とした“痛み勉強会”に参加してきました。
理学療法士も発表していましたが、
痛み治療の最新情報に触れることで、
股関節症の保存療法に“足りない要素”
をいくつか再確認してきました。

保存療法、
整形外科医師が考えるモノと、
我々理学療法士が考えるモノとは、内容が大きく異なります。
目指す目標は同じでも、
特にその手段、方法については、もっともっと深く追求すべきでしょう。

これから数年かけ、
改めて保存療法の教科書を自分なりに作成していきます。
評価項目や治療のポイント、
こうした個別性に配慮した戦略が打ち出されれば、
保存療法の効果もまた違ったものと映るはずです。
今後の発展に寄与できると確信しています。


さて、
今日はテーマは前回に引き続き、脚長差についてです。


脚長差は様々な背景からなり得る問題です。
こちらで拝見していて、
特に多いのは手術後です。


手術後、痛みは取れても、
脚の長さに問題が残る、


人工股関節後であれば、
手術後、
「(術側が)脚が長くなった。」

自骨術後であれば、
「(術側が)短くなってきた。」

などの訴えが聞こえてきます。


では手術の場合、どういう過程を経て、
脚の長さに差が生じるのか。


今日は(こちらで拝見する中で)最も脚長差のトラブルの多い、
寛骨臼回転骨切り術(Rotational Acetabular Osteotomy)、
通称:RAOについて取り上げます。


ご存知の方も多いでしょうが、
RAOは、
臼蓋形成不全などの先天的、後天的な骨盤側の屋根の浅さを
自分の骨を継ぎ足して、補強する優れた手術といわれています。


股関節痛を抱えお越し下さる方でも、
比較的若い世代、20〜30代の方、臼蓋形成不全があると分かれば、
痛み治療の選択肢として、RAOを勧められる、
もしくは、この術式に卓越した先生を
紹介されることがあるかも知れません。


今では改良も進み、技術力の向上に伴い、
筋肉への負担の少ないAAOやCPOなども提案され、
実践されているようです。


股関節学会に参加し、
こうした手術の専門家の話を伺うと、
その目的が明確になってきます。


もちろん痛みを取り除く、
これは医療者誰もが目指す目標です。
しかし、その手術によって、関節を一生もたせようとするのではなく、
time saving的な考え、
つまりは、人工関節までのつなぎ、
と考えている医師も少なくないようです。


これ程までの大手術をして、人工までの間をもたせるだけ!?
これは、私にとっては意外でした。


もちろん術後順調なら良いのですが、
文献報告にもあるように、
自骨手術後の方が人工股関節に臨む場合、
関節面の問題、筋肉組織の癒着等々、
手術自体に困難を極めるケースがあると記されています。


こちらで診ていても、
自骨術後、関節の硬さ、左右の筋力の違い、筋委縮が著明です。
こうした状態で、
人工関節を入れても、
恐らくその後の耐久年数にも影響を与えてくるでしょう。


【適応と限界】

これまで分かっていることは、
初期の股関節症であり、
比較的若年者、関節の隙間もある程度確保できている場合、
その後の長期成績も良好のようです。


しかしながら、適応に合致していても
関節症変化が進行する方もいらっしゃいます。

※掲載のご承諾をいただいております。


【手術前】



 当時20代。
 臼蓋形成不全。
 痛みはあっても軽度です。
 綺麗な股関節です。
 関節内変化も少なく、
 レントゲンのみでは判断できませんが、
 骨盤の若干の歪みが確認されることから、
 手術をしなくても十分に痛みは解決できそうです。
 

【7年後】



 医師の勧めからRAOを施行し約7年。
 屋根はできたものの、
 何となくぼやーっとうっすら靄がかかったように白く映ります。
 痛みも新たに生じてきました。
 おそらく関節内では何か変化が起こっている様子です。
  

【16年後】



 16年の月日が経ち、
 杖も必要となるほど痛みも悪化。脚長差もあります。
 このときまだ30代後半。
 人工関節には早過ぎますが、
 左太ももの大腿骨の太さ、細くなってきている様子をみると、
 術後のリハビリを考慮し、
 手術のタイミングを検討しなければいけない時期に
 差し掛かっているように思えます。


RAOの術後の方でも、
20年以上が経ち、比較的順調な方も拝見しております。
しかし、
一方でこうしたリスク(脚長差、筋・骨委縮など)も存在します。


今日取り上げました内容は、
決して明るい話題ではありませんが、
こうしたリスクも説明されず、
もしくは、説明されても自分のこととして受け止められず、
手術を決断される方が後を絶ちません。


手術後に思い描いた理想とのギャップに
痛みも複雑になります。


最良の選択。
決めるのは御自身であっても、
幅広い情報の中から、
より自分の症状に見合った
治療手段を選択されることが望まれます。


参考:エビデンスからみた寛骨臼回転骨切り術の治療成績と手技の工夫
    岡野 徹 骨・関節・靭帯 20(5)2007





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【臼蓋形成不全】実際の保存療法の裏側


よつばのクローバー
おはようございます!


【ご予約状況】

☆ 7月8日(日) 午後12時〜 一枠空きがございます。
   ご希望の方は、予約フォームからお申し込みをお願い致します。

  受け付けを終了致しました。ありがとうございました(^v^)


前回のブログでは、
手術後のトラブルについて取り上げました。


今日は保存療法についてです。
保存療法であっても例外ではありません。
継続されている方の間でもトラブルが相次いでおります。


病院やスポーツジム、専門家の指導があっても、
痛みや可動域の不調を訴えお越しになられるのです。


保存療法も多岐に渡ります。
体重コントロールや杖の使用、薬物療法など様々ありますが、
なかでもトラブルの原因となりそうなのは、
筋力トレーニングを主とした運動療法、それと杖の使用です。


実際に訴えが多いトラブルの一例をご紹介しましょう。


例えば、医療機関では、
臼蓋形成不全を発覚し、症状が軽く、
年齢的にも手術がタイミングでないと判断されると、
「太ももの筋肉を鍛えておきましょう」
などと、下の図のような筋力トレーニングが指導されることがあります。





確かに、“狙い”としては理解できます。


筋力を落とさない、筋力維持を目的とした運動ではあるのですが、
その方法によっては、
大きな負担になる場合があります。


脚が上がりにくくなった、付け根に痛みを感じるようになった、
こうした不調の声が聞かれるのも、
筋肉を診れれば一目瞭然です。


筋力トレーニングに期待するのは、
カチコチに固まった太い筋肉を育むことではありません。
かたくなった筋肉は可動域や身のこなしに影響を与えます。
普段の生活では役に立ちにくいのです。


股関節痛を抱えた方に大切なのは、
“生活に使える筋力”を養うことです。


実際にこの手の研究は多くされています。


健常者と比べ臼蓋形成不全の方では、
高いストレスが股関節へかかることが報告されています。

citation)金井:SLR運動時の股関節に対するストレスの検討 理学療法学2000


また、ある調査では、




citation)元田:筋骨格コンピューターモデルと三次元剛体バネモデルによる股関節の解析 関節外科22 2003



脚を持ち上げ降ろしていく際に、
股関節へ大きな負荷がかかることが示されています。


脚上げ運動については、
既にここまでリスクが解明されています。


保存療法における運動やトレーニングについては、
まだまだ課題が山積みです。
運動メニュー自体の未熟さもありますが、
一番のリスクと考えられるのは、
紙一枚のプリントが手渡されたり、グループ指導が主体となり、
専門的な指導がまったく無く、
個人が個々のやり方で推し進められてしまうこと
です。


どんな運動を行うときはそうですが、
新しいことをはじめたら、
まずは継続的なフォームのチェックが必要不可欠です。
特に痛みを経験されている方の場合には。。。


変形性股関節症と診断された方たちは、
ご自身の身体のイメージを掴みにくいものです。
歩く際に、自分の身体が揺れていても、
気が付かない方がいらっしゃる程です。
それだけ、“理想と現実”との間にギャップが生じているのです。


指導したら、それっきり。
これでは、本来の望むような運動ができているかは分かりません。


保存療法を継続中に悪化するような方は、
ご自身では気が付かないような微妙な範囲で、
関節の動き、
身体の使い方を都合の良いように変えている場合があります。


唯一その変化を諭して上げることができるのは、
まわりで診ている専門家のはずです。


皆さんの成長には眼を凝らして見守っていかなければならない、
常にそう思っています。






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