【臼蓋形成不全】骨切り手術は予防的治療になり得るか







股関節痛への治療は、
世界的な変形性股関節症のガイドラインに則れば、
保存療法が治療の第一選択です。
日本でもこれまで盛んに行われてきた
人工股関節や骨切り術、あるいは最近話題の股関節鏡などよりも、
保存療法が効果とその安全性から、上位にランクされます。


しかしながら、
こうした意義ある医学的根拠も、
日本の医療機関では反映されにくいのが実情です。
明らかに日本の課題です。


今月も、手術後の依頼が毎日のように舞い込んできます。


股関節痛の治療選択にあたっては、
とにかく「はじめの情報」が極めて肝心です。


毎年参加させていただく股関節学会でも、
人工関節を推進される先生、
自骨の骨切り術を支持する先生、
あるいは、股関節鏡を推し薦める先生など、
“治療手技別”に専門が分かれます。


“外から”は伝わり難いでしょうが、
どの先生にかかるかによって、
皆さんが、与えられる治療の選択肢も限られてくるのです。


各専門分野におけるスペシャリストが必要であることは
言うまでもありません。
ただ同時に、幅広い知識と経験をもとに、
股関節痛を多角的に捉え、
症状に合わせたベストな治療法を提案できる専門家も必要でしょう。


熟練された先生であれば、ご存知のはずです。
手術による効果とその危険性も。


今日は、骨切り手術に関する情報をいくつかお届けします。


毎年股関節学会でも聞かれるのは、後継者不足です。
骨切り術を志す若い専門医が少なくなっているのが、
話題に上がります。
それでも長い歴史のある手術方法です。
過去をさかのぼれば、「術後良好」研究報告が多数目につきます。
確かにそうなのでしょうが、懐疑的にその現実をみつめています。
今でも、骨切り術後の後遺症、
痛みや移動機能の不具合を抱え、お越しいただく方が増えています。


全体の数から僅かなのかも知れませんが、
それにしても、術前より悪化、あるいは全く変わらないケースなど、
骨切り術の不確実性もこの場で確認されます。


そして、私が担当させていただく方の多くは、
様々な理由から、術後、担当医を変更されます。
セカンド、サードオピニオンを求め、
執刀医とは別の医師にアドバイスを求めます。


こうした動きの背景では、
骨切り手術の正確なデータが取り扱われない可能性があります。
明るい部分だけがクローズアップされがちです。
手術成功率90%の陰で、悩んでいる方は多いはずです。


では実際に起こる、
自骨の骨切り手術後の具体的なリスクについて、
改めて最新の臨床データから考えてみましょう。


例えば、2013年の昭和大学からの報告がひとつ参考になります。



「1984年から股関節症に対し、
寛骨臼回転骨切り術=RAOを行っているが、
術後の長期経過において関節症の進行を防止できず
人工股関節置換術を余儀なくされる症例も存在する」
と、述べられるように、
骨切り術を受けるにあたっては、
将来的な人工関節も考慮する必要がありそうです。


また、
「2000〜2012年にRAO術後人工関節を行った23例24関節について、
RAO術後に末期股関節症となった症例に対しては、
可動域の良好な時期にTHAを検討することが肝要である」
とも報告され、
手術後常に安定に経過するケースばかりではなく、
可動域に問題が生じるリスクも示唆されます。


さらに、
「RAOは人工股関節の"time saving procedure"としても
有用な術式である」に象徴されるように、
骨切り術も、人工関節までの繋ぎ、と考えられているため、
手術にあたっては、
執刀医師を入念な打ち合わせも避けられないでしょう。
参照)RAO術後症例に行ったTHAの検討 THA施工時の問題点 Hip Joint 39巻 922-926 2013


ご覧のように、
骨切り術も、リスクの捉え方は、
執刀する先生により考え方が千差満別であり、
手術をし一生持たせよう、と考える先生がいる一方で、
「もって10年」と明言され、
人工までの“時間稼ぎ”と考えている先生もいらっしゃいます。



2014年、千葉にある船橋整形外科病院からの報告では、
骨切り術の既往のある方では、
初回の人工関節を受ける患者さんに比べ、
約10歳早く人工股関節の手術に向かわれています。
参照)骨切り術が初回人工股関節全置換術に及ぼす影響 臨整外科49巻1号:89-93.2014






それも50代、あるいは50歳未満に集中しています。
人工の耐久年数を考えれば、
生涯における複数回の手術も避けられないかも知れません。



2013年、東京の日産玉川病院からも、
自骨経験者の人工股関節手術年齢は、

「2011年1月〜2012年1月に
初回人工股関節全置換術(THA)を行った492関節中、
寛骨臼回転骨切り(RAO) 後の症例8関節、
手術時平均年齢が49.9歳」
と、船橋整形と同様の報告です。
骨切り術経験者では、
人工股関節へのタイミングが早くなっているのが分かります。
参照)寛骨臼回転骨切り術後の人工股関節全置換術における3D-CTの有用性 Hip Joint 39巻 558-562 2013



人工物で治すより自分の骨で治しましょう、
との発想が自骨を推進される先生方にもありますが、
ご覧のように、診察場面では触れらる事の少ないリスクにも
配慮する必要があるでしょう。


10代や20代で済ませればその後一生持たせられる、
との説明に手術を踏み切られ、
その後10年、20年経った今、
不調を訴えお越しいただく方が増えはじめています。


本当に、骨切り術が将来的な予防になっているのかどうか、
検討してみる必要がありそうです。


保存療法の視点から診れば、
骨だけの問題ではなく、
やはりそこへ至るまでには筋肉への処置は避けられず、
その影響が10年以上たった今、
じんわりと現れはじめているのかも知れません。


次回はケーススタディです。
30代女性、骨切り術後の経過とその後の回復について、
before/after動画を交え、ご紹介させていただきます。




 

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◆各地出張セラピー日程
 大 阪:2014年5月29日(木)〜5月31日(土)
 名古屋:未定
 仙 台:未定

◆早朝枠
 朝9時〜の早朝枠をご用意しました。
 お電話にてご相談下さい。

◆消費税改訂に伴い4月1日より料金改定となります。
 施術料   初回  20,000円→21,000円(1,000円値上げ)
       継続  9,500円→10,000円( 500円値上げ)
       出張 20,000円→21,000円(1,000円値上げ)
 インソール         11,500円→12,000円( 500円値上げ)
 ポケットフィジオ    2,000円→  2,100円( 100円値上げ)

◆オーダーメイド・インソール
 ginzaplusで学んだ歩きの実践の手助けとなるインソール。
 その場で作成お渡し可能です。セラピーと併せてご相談下さい。

◆ポケットフィジオ
 股関節まわりの筋肉のコリをほぐすのに有効なマッサージ道具。
 人肌に近い素材の為床に置いても滑りにくく持ち運びにも最適です。
 テニスボールでは満足できなかった方にはお勧めです。
 

◆予約状況
 毎月1日に翌月のご予約状況が確認いただけます。
 6月1日に7月の予約表をアップします。

◆勉強会のお知らせ
 股関節痛を抱えた方を対象に「朝日カルチャーセンター」主催の
 勉強会を定期的に開
催しております。
 今回のテーマは「股関節症の方にとっての正しい歩き方の実践」
 5月24日(土)午後12時30分、午後1時45分、計2クラス。
 運動主体の講座です。動き易い格好でお越し下さい。


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【臼蓋形成不全】手術を勧められたAさんのケース





【大阪出張セラピーのお知らせ】
今月は10/9(水)〜12(土)まで大阪に滞在します。
現在数枠空きがございます。
もしご希望の方がいらっしゃいましたら、

こちらからお申し込み下さい。

日時:10月9日(水)午後12時午後1時30分
   10月11日(金)午前10時30分
場所:JR大阪駅徒歩0分



今朝はケーススタディです。

 
 
Aさん50代女性の方です。
43歳のときに発覚した臼蓋形成不全。
そのときかかった医師からの宣告は即手術。


手術を拒んだAさんが選んだのは、プールでのリハビリ。
通った成果も実り、次第に痛みも軽減。


ところが50代前半を過ぎた頃から、
再び股関節痛の再燃。
普段難なくできていた動作ができなくなってきた。
周りの人たち次々に手術。。。


改めて別の医師の診察を受けると、
「手術をするのにはもったいない」とのコメント。


迷った末に辿り着いたのは、保存療法の実践。
家族は手術を勧めても、
まずはとことん納得のいくまで色々試し、
それでも駄目だったら手術を受けよう、との決意。
○○療法、〇〇専門を唱う様々な民間療法にチャレンジしても、
思うような効果を実感できず、
この4月に初めて銀座でお会いしました。


痛みの箇所は、両鼠径ラインの股関節の前面。
約5ヶ月、計6回通っていただき当時の痛みは軽減、自制内。



※掲載のご承諾をいただいております。


おぼつかない足取りも、今では安定。
もちろん痛み止めの服用もありません。


後になって伺ったことですが、
セラピーを継続するにあたって、
「痛みがあるのに、歩いても良いのか。」
「こんな運動をしても問題はないのか。」
半信半疑だったそうです。


それでも続けるうちに痛みが消えてくる、
半年たった今、
「言われていることが、ようやく理解できるようになった。」、
と仰って下さいます。


整形外科にかかれば治る、
というのが世間一般の常識かも知れません。
それを理学療法士に任せようとするのですから、
並々ならぬ勇気、不安もあったことでしょう。


ただ、町の整形外科や大きな一般病院へ行っても、
検査や診断、投薬くらいのもので、
その場で痛みをとるような
積極的な治療は少ない、のではないでしょうか。
※トリガーポイントなど特殊技術を施して下さる先生は別ですが。


股関節痛があっても、まずは保存療法を試みる。
目標を決め、ある一定の期間を設けるのも良いでしょう。
保存療法に集中できる環境を整え上で、
その成果をもって治療方針(手術 or 未手術)を検討する。
医学的に手術が適応とされても、
保存療法により救われる可能性があります。
手術の必要性を判断するのも、保存療法の役割です。


理学療法士が勧める保存療法。
あらゆる手段を試しても今ひとつ効果を実感できない場合、
ぜひ一度ご相談下さい。


短期集中、
痛みの改善、運動機能の回復を目指します。
一生自分の脚で歩けるために!




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◆オーダーメイド・インソール(価格¥11500)

 正しいな姿勢、歩きを実践するための意識付けとして、
 個別の足型に合わせたインソールを作成しております。
 所要時間約30分程。セラピーと併用可能です。
 事前にご相談下さい。

◆ポケットフィジオ(価格2000円)

 ご自宅、職場へと持ち運びに便利なマッサージ道具、
 ポケットフィジオに新色が登場しました。
 人肌に近い特殊素材のため床でも滑りにくく、
 筋肉ほぐしに最適です。
 テニスボールでは使い勝手に苦労されていた方、お勧めです。


  

◆予約状況

 毎月1日に翌月のご予約状況が確認いただけます。
 11月1日に12月の予約表をアップ致します。
 
◆【一般の方向け】勉強会のお知らせ
 
 朝日カルチャーセンター主催
 「股関節痛の予防と対策〜姿勢、歩き方にも着目して」
 日時:平成25年11月9日(土)午後1時〜、午後3時30分〜
    ※両クラスともキャンセル待ちです。
    平成26年 2月 1日(土)午後1時〜
    ※現在受付中です。
   場所:神奈川県藤沢「藤沢ルミネプラザ9階」
 お問い合わせ、お申し込みは、
 tel 0466-24-2255、またはこちらまでお願い致します。
 9/10付けの「朝日新聞」でもご紹介いただきました。

  


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【臼蓋形成不全】軟骨派??筋肉派??


よつばのクローバー
おはようございます!


昨年の股関節学会の抄録の中で、
“股関節専門医離れ”を
ある大学病院の医師が心配されていました。
理学療法の分野においてもやはり同様に、
股関節を専門に取り組める環境に居る理学療法士は少なく、
そのせいか国内で発信される論文件数は限られ、
最新の知見や有益な情報ともなると、
やはり海外の研究報告に頼らざるを得ない現状があります。


皆さんの目に飛び込んで来やすい股関節症の基本情報とは、
今も昔も変わらず、
痛みの原因を説明する「軟骨のすり減り」や「関節の炎症」
ではないでしょうか。


確かにそれもあるのですが、
こうした情報だけ頼っていても痛みは乗り越えられないでしょう。
もし、股関節痛の原因が、
上記に示すような器質的な問題だけであるとするならば、
手術ができず、薬の処方ができない日本の理学療法士では、
太刀打ちできません。


それでも、皆さんの痛みに貢献できているのは、
それは、股関節のまわりにある「筋肉」に着目し、
治療的介入が行えているためです。


「私は軟骨じゃなくて、
まわりの筋肉が痛んでいるような気がするんです」、
言ってお越しにならる方も最近増えています。
とても勘の鋭い方たちですね。
まさにその通りで、こうした方はその後の経過も
順調です。


ある医師によれば、
「股関節は深部にあるとの特徴から、
身体所見から痛みの原因を特定することは難しい。
MRIは股関節痛、あるいは股関節周囲の痛みの原因を診断するのに
最適な方法である」、と述べています。
(整形外科 Surgical Technique. Vol2 no.6 2012)


その中で注目されるのが、
股関節の外側に付着する
中殿筋(ちゅうでんきん)と
その下層にある小殿筋(しょうでんきん)
といわれる筋肉の存在です。



http://www.becomehealthynow.com/

もし、
皆さんの訴える痛みが、
股関節の外側であるならば、
これらの筋肉を疑ってみるのもよいでしょう。


私の経験からは、
例えば、臼蓋形成不全の方で、
上記の筋肉にトラブルを抱えていない方はほとんどいません。
骨盤側の骨の浅さを
股関節外側の筋肉でカバーしてくれているのでしょう。
股関節痛の原因とも混同されやす筋肉です。


また、筋肉が問題だとするならば、
もはや手術を考える必要すらなくなります。
皆さんにとっては安心材料です。
あとは、これらの筋肉がどうして痛む結果となったのか。
家事や育児、生活の影響なのか。
それとも趣味で始めた、あるいは続けているスポーツ活動のためか。
もしくは、普段の仕事(立ちっ放し、座りっ放しなど)での所作、
日常生活動作に問題があるのか。
問題点を洗い出し、
ケアの仕方、普段日常での意識すべきポイントさえ明確になれば、
同じような股関節痛を繰り返すこともなくなります。


既に手術を受けた方にはショッキングなデータかも知れませんが、
報告によれば、
股関節痛の類似症状として、
好発年齢は30〜50代の女性、基礎疾患として、
変形性股関節症、腰痛症、さらに脚長差がある場合には、
こうした病態が頻発し易いことが明らかになっています。
(MRI and US of gluteal tendinopathy in greater trochanteric pain syndrome. Eur Radio. 2007. 17. 1772-83)


痛みの原因、筋肉に目を向けた報告はまだまだ少ないですが、
実際には、臼蓋形成不全による変形性股関節症や
関節唇損傷との診断を受けた方でも、
筋肉がダメージを受け、
痛みを訴えている方が大勢いらっしゃっています。
たとえ、軟骨のすり減り、関節唇の損傷を疑われても、
まずは、筋肉へのダイレクトな治療的介入を経ることで、
どこまで改善が望めるのか、試してみることをお勧めします。


同じ意味で、手術をすれば、
どんな手術方法であっても筋肉(=筋膜)を切ることになります。
遅かれ早かれ手術後の方がトラブルを訴えることがあるのは、
こうした筋肉に由来する不具合から生じるものとも
予測できるでしょう。


軟骨のすり減りに伴う関節内の炎症とは、
皆さんの想像を超えるような痛みです。
そこまでの痛みでなければ、おそらく、問題は筋肉、
その場で改善が期待できます。


ちなみに、
上記論文の著者は、整形外科医ではなく放射線科の医師です。
やはり、股関節治療産業においても、
新たな視点が歓迎されるべきです。
年々、手術後の依頼件数が増え、
各種手術療法の適応範囲が広がり過がりしまっているのではないか、
と心配しております。





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【臼蓋形成不全】保存療法の常識


よつばのクローバー
おはようございます!


骨の変化に、一喜一憂していないでしょうか。
保存療法から診た場合、レントゲン画像とはあくまでも目安です。
骨折や急速進行型、腫瘍などの重要疾患の識別を除いて、
痛みの全てを説明できるものではないようです。


痛みがあるからといって、
必ずしもレントゲンに現れるものでもなく、
実際に正常なような股関節でも、
痛みを訴える方がいらっしゃいます。
また同様に、著しく変形していても
痛みが無い方も。
専門医の間でも、
関節の隙間、軟骨がある無し、という事実だけでは
正確に痛みの影響を反映できない、という意見がある程です。
(関節裂隙狭小化と関連するQOL尺度. Hip Joint 39:394-397, 2013)


保存療法継続中の方、
またこれから始めようと思っている方へは、
受診する際の重要な
ポイントでもあります。
ぜひ頭の片隅に入れておいて下さい。


さて、保存療法の位置付けは、
医師の考え方や医療機関の体質によって様々であり、
積極的に保存療法を受け入れている病院では、
一定の成果を報告し、その特殊性を述べています。


ある病院の治療方針は、非常にユニーク。
変形性股関節症の治療には、一般に、手術と保存療法がありますが、
外来初診でみえた進行期・末期変形性股関節症患者さんに対し、
全例に保存療法を説明し、
同意が得られなかった患者さんにのみ手術を施行しているようです。


今回の調査では、
20例中13例で、保存療法による症状の改善が認められ、
(若年者の進行期・末期股関節症に対する保存療法 関節外科, Vol30 No.9 42-48,2011)


レントゲン画像を基本に経過をみていくと(約1年〜5年5か月)、
医学的には関節症が進行しているにも関わらず、
痛みや運動機能が改善している例が確認されています。


骨は進行しているのに、症状自体は改善している。


専門家の間でも疑いの声が聞こえてきそうですが、
変形性股関節症でも、進行期や末期の方にもよくみられ、
最終ステージにまで到達してしまうと
途端に痛みが消失する、
なかには自己流の保存療法を継続し、
痛みの改善に「5年もかかった」と仰る方もいらっしゃいます。


2010年、福岡での第37回
股関節学会の際に、
今でも鮮明に覚えています、ある大学病院の著名な先生が、
こうした改善の様子を“自然修復”、
「奇跡だ」と表現されていたことが印象に残ります。
しかし保存療法の視点から診た場合、
おそらくこうした変化は、どの患者さんにも起こり得ることで、
一時の骨の変化だけを診て手術の必要性を判断するのは、
時期尚早であり、
変形性股関節症の治療においては、
継続的な関わりが何より重要であることが
示唆されたように思われます。


保存療法の視点から診ていくと、
従来の股関節治療指針の常識を覆すような現症に直面することが
度々あります。
レントゲン上の悪化に伴い、痛みや身体機能は改善する、
こうした矛盾も、もはや驚くべきことではありません。


下のレントゲン画像は、
保存療法開始後5年後の様子です。
30代臼蓋形成不全。




当初痛みが強く松葉杖を使用していましたが、
保存療法を開始し、
骨の増殖性変化、骨盤側に骨棘(こつきょく)が現れ、
骨自体は変形し、進行していますが、
軟骨の隙間もはっきり確認され、
痛みと運動機能は改善されています。


初診では多くの医師が、この方に手術を勧めました。
しかし手術を拒み、保存療法を選択されたことで、
新たな人生を歩み始めています。


保存療法とは、
骨のハンディキャップがあっても
自分の力で乗り越えようとする患者さんの強い勇気と、
残存機能を最大限に引き出そうとする医師や理学療法士に
よって支えられる“治療哲学”です。外科治療とは、
アプローチの方法も違えば、痛みの診方も独特です。
日本では触れられることの少ない保存療法の領域にも、
各分野の専門家による研究成果のお陰で、
未手術を望む皆さんにとっては、
より一層有益な情報を提供できるでしょう。


もう少し早く始めたかった、
手術前に知っておきたかった、
の声を少しでも減らせるよう
私も努力致します。
保存療法の世界が少しでも身近に感じられますように。


今年はその一環としてこの11月に、
股関節痛を抱えた経験のある方々を対象に、
※医療関係者の方向けには別途ご案内させていただきます。
講演会を開催させていただきます。
朝日カルチャセンター主催、
「股関節痛の予防と対策〜姿勢、歩き方にも着目して〜」。


日時:平成25年11月9日(土)午後1時〜午後2時30分
場所:藤沢ルミネプラザ9階

お問い合わせ、お申し込み先は、
tel 0466-24-2255までお願い致します。
詳細は9月10日付夕刊「朝日新聞」でもご確認いただけます。


当日は沢山の笑顔に出会えますのを楽しみにしております。


 


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【臼蓋形成不全】保存療法と理学療法士の役割

 
よつばのクローバー
おはようございます!


【7月御予約状況】

場所:銀座
日時:
7月12日(金)午後1時〜
7月16日(火)午後1時30分〜 
7月18日(木)午後4時30分〜


上記日時にて空きがございます。
ご希望の方は、こちら からお申し込みください。
よろしくお願い致します。



"Knockout: Interviews with doctors who are curing cancer"、
ご覧になられた方はいらっしゃいますか。





New York Timesで取り上げられベストセラーともなった書籍。
これまでのがん治療を痛烈に批判し、
その裏側の全貌を解き明かします。
既存にあるがん産業の主流でもあった
化学療法、外科療法、放射線治療の他に、
実は、もっと効果的で安全な治療方法がこの世にはある、
非常に面白い本です。


まだまだ薬物療法、手術療法が主流の
股関節治療分野にも一石を投じる、
将来的な転換期を予測させるような内容です。


股関節痛の治療には、
保存療法、もしくは、温存療法が、
身体への負担の少ない効果的な治療方法として
世界的にも注目を集め始めています。


海外の文献検索サイトによると、
2000年以降その数は徐々に増え、
股関節治療産業においては、知る人ぞ知る、
潜在的な力を秘めた最近のトレンドとも捉えられるでしょう。


ただ私たち日本人に大きな壁となり立ちはだかるのは、
全て「英語」で表記されている、ということです。


医師ならともかく、
我々日本の理学療法士はとにかく英語が苦手です。
勉強会でも一本の論文を何時間もかけて読んでいます。
外国人講師による講演も必ず通訳付きです。


これだけ世界が身近になっても、
まだ個のレベルが追いついていない。
こと股関節症の保存療法になると、
日本では、ほとんど前例が有りませんから、
どうしたって海外からの情報に頼らざる負えません。
我々の心を豊かにし、アイディアの源は、
まさに各国から発せられる最新の研究論文にあるのです。


海外の論文に特徴的な点は、
日本とは決定的に異なる医療システムもと成り立っていること。
つまり、手術したら直ぐに退院を促される欧米諸国では、
日本のような術後の役割としての理学療法士の働きぶりよりも、
未手術を目的とした理学療法士の関わりが注目を集めます。
理学療法士らしさが伝わるのは手術前、
術前リハビリの効果が研究論文を通じて、
今、全世界に発信されているのです。


余談ですが、
私が理学療法士になり、
はじめの就職先に選んだのは、東京お茶の水にある順天堂医院。


なぜ、順天堂だったか。
それは、臨床的に海外との交流が深かったからです。
やはり常に世界を感じながら仕事をしたい、
そんな想いが強くありました。
どの職種でもそうでしょうが、
世界を知ることで、
日本の良さ、足りない箇所が明らかになり、
自分がやらなければならない課題もみえてくる。
この仕事をする上でも、
やはり、世界を意識することは、とても重要だと思うんです。


日本各地を探しても
順天堂以外他に、
理学療法士が海外を行き来し研修を重ねる職場など、
当時は聞いたことがありませんでしたから、
非常に新鮮で刺激的な環境でした。
海外の最新の知見や技術に触れる、
これ程理学療法士として心躍る瞬間はありませんでした。


それを病院にくる患者さんだけでなく、
一般の方にもぜひ体験していただきたい、
その想いが今のスタイルに結び付いているのです。


さて、話しは逸れましたが、
保存療法の中核を担うのは、
どの国を覗いても、
理学療法士であることには変わりはありません。
但し、
日本のように術後のリハビリで活躍するというよりは、
むしろ手術前の役割が近年期待されています。


我々日本の理学療法士も、
もっともっと海外の動向に目を通し、股関節治療の現状に精通し、
実際に患者さんを前に
力を発揮する時代を迎えているように思われます。
もはや病院で待っているだけでは国民の生活には寄与できません。
世界のトレンドに疎く、
保存療法に関する論文すら読めないようでは、
今後理学療法士の存在意義すら危ぶまれても仕方がないことでしょう。


エビデンスレベルの高い研究報告を
ひとつご紹介します。


10人がひとりが変形性関節症で悩みを抱えるといわれる
オーストラリアでは、
実際に、理学療法士と整形外科医がタッグを組み、
手術に至る前の早期発見、早期治療の重要性を
国民へ呼びかけています。



2009年に発表され冊子となった
Guideline for the non-surgical management of hip and knee osteoarthritisの中には、


具体的な方法論も明示され、
術前リハビリの治療効果が高い介入手法として、
Land based exercise(=運動療法)が推奨されています。


一昨日、
初めてお会いした3名の方皆さん
訴えていたのは、


「薬を渡されて様子をみましょう、これでは手術を待つだけ。
 悪くなるのをただ待つだけでは、納得がいかない。
 何かやるべきことはないのか、患者はそこを知りたい。」


まさにこのときこそ、
上記報告に従って、我々理学療法士が、
力を発揮すべきタイミングではないでしょうか。
しかし、こうした情報も医療者側が心得ていなければ、
未手術で救われるはずの患者さんも救われません。


従来の手術後リハビリ職人としての役割も
もちろん重要ではありますが、
世界は今、手術件数を減らすための方策、
手術前リハビリに力を注いでいます。
日本でもこれだけ痛みに悩む方が増えているのですから、
そろそろ後療法だけのイメージは払拭し、
将来へ向けた新たな役割を模索する必要があるではないでしょう。


ここginzaplusでは、
Land based exerciseのエッセンスの一部を
日本人特有の股関節痛の発症要因でもある日常動作、
特には姿勢や歩き方に応用し、
痛みの改善、運動機能の回復を図っています。


日本人ならではの幼少期からの和式の生活スタイル
奥ゆかしい日本人女性ならではの仕草所作
欧米人に引けを取らないように工夫した履物の影響、
どれをとっても、
股関節痛とは切っても切り離せません。


生活習慣と最も関連のある股関節痛。
心当たりがあればいつでも御相談下さい。
早目の対応治療で、手術もしのげるはずです!





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