【股関節唇損傷】手術のタイミング

 

基本的に日本は医療保険制度に恵まれた国であることから、関節症に関する痛みについていえば「手術をして痛みを治す」というのが、一般的な考え方です。

 

例えば、今日トピックに取り上げた股関節唇損傷もまた手術で改善させようとする傾向が非常に強いです。内視鏡による手術と聞けば、日帰りあるいは翌日退院をイメージされがちですが、日本におけるそれはその後のリハビリに比較的時間を要する手術でもあります。人工股関節よりはもちろん、場合によっては骨切り手術よりも時間がかかるケースさえ存在します。

 

そして、その後の術後成果はどうかといえば、股関節学会などでは「4人にひとり」が悪化すると報告しており、早期に人工関節の決断を迫られるかたが多くいらっしゃいます。そうなると、この手術を受ける場合には、常に複数回の手術も視野に入れなければならないかも知れません。ginzaplusでも先のブログで言及したように、人工関節を踏み切られた半数以上は、股関節唇損傷の手術を経験されたかたたちです。

 

では、もう少し踏み込んで、どうして、術後成績があまり良くないのか。4人にひとり、25%で悪化すると聞けば、現代医学からすればかなりの確率です。おそらく(以下は私の考察ですが)、現在もなお注目を集めるように施術側による技術的な問題もあるでしょうが、患者側の目標設定の高さもあると思われます。股関節唇損傷の手術を決断されたかたの背景をみると、多くがスポーツ愛好家であったり、運動に慣れ親しんだかたたちです。つまり、一般の人よりもそれなりに運動感覚に優れていらっしゃいますが、股関節にメスを入れたことで、ちょっとした違和感や痛みが残りこれまでの運動や競技に復帰できないとなれば、引退、休職や転職、状況によっては人工関節もやむを得ないのでしょう。

 

また、あまり話題にはなりませんが、股関節唇損傷の治療にあたる側とその後の人工関節を行う側では、必ずしも同一人物とは限りません。つまり、術者は自分の結果を確認する間もなく次々に繰り返されているのです。ある人工股関節のスペシャリストは、内視鏡後の股関節内の荒れ具合に懸念を示しています。“変にいじらないほうが良い”、これらも手術適応の判断を見誤る原因とも考えられるでしょう。

 

 

ginzaplus 佐藤正裕(理学療法士)

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