【OARSI】変形性関節症国際学会 2019 に参加して

日本では平成から令和、新しい時代を迎える頃、羽田を飛び立ちシカゴ経由でトロントで開催されたOsteoarthritis Reseach Sciety International(変形性関節症国際学会)に参加してきました。

OARSI、この学会は毎年ヨーロッパor北米大陸で開催され、世界中の変形性関節症のスペシャリストが一堂に会し、それぞれの研究成果が報告されます。最新の研究報告だけではなく、変形性関節症の基礎から治療応用まで、様々な分野のエキスパートによるプレゼンテーションを聞くことができます。「軟骨はどうして減るのか?」「痛みはどうやって起こるのか?」など、今更聞けないようなことも最新の研究データとともに提示されます。

 

さて、肝心の内容ではありますが、

全てをお話しすることはできませんが、その一部をご紹介します。

 

 

レントゲン上骨の程度は同じなのに、痛みの程度が異なる

 

臨床家であれば誰もが直面する疑問でしょう。

痛みと画像上の変化は一致しない、これはこれまでも明らかになっていましたが、骨の程度は一緒なのに、訴える痛みの程度が異なることが度々あります。これには、血液検査、基礎疾患の有無の確認の必要性が述べられていました。

 

屋根が浅いのが臼蓋形成不全?

 

日本では骨盤側の屋根が「浅い」、「被り」が浅いのが形成不全と理解されてしまいがちですが、別の考え方も存在するようです。これも日本と海外での解釈の違いでしょうが、形成不全も時系列で追ってくると、骨の成長に傾向性を認めます。特に、幼少期の運動習慣が影響してそうです。

 

軟骨を健康に保つ秘訣は?

 

軟骨自体には、神経はありませんが、損傷する過程の中で痛みを発生させます。

加齢に伴い、誰にだって起こるのが軟骨のすり減り。ただ、これも生活習慣を気をつけるだけで、健康に保つことが可能です。マラソンランナーの軟骨を採取した研究が印象的でしたが、動かさなくなれば軟骨も衰えるもの。「出来るだけ無理をしないように」=「軟骨の健康を損なう」とも捉えられるでしょう。

 

保存療法で行う運動の強度は?

 

保存療法を行う専門家にとって、常に念頭に置く必要があるのが運動強度、負荷の量です。

前述したように軟骨を健康に保つには「負荷」が不可欠です。軽すぎてもだめ、重すぎても思い描くような結果には結びつきません。では、どの程度の負荷をかけたら良いのでしょうか。また運動療法時の痛みは、どのように対処すべきでしょうか。それらもデータをもとに報告されていました。運動療法そのものに、除痛効果、消炎効果が存在するのは、ご存知でしょうか?

 

 

OARSIに参加すると、日本での常識が通用しないこともよくあります。世界の専門家はまた違った視点で痛みの解決に取り組んでいます。日本でもこのレベルで議論が交わされれば、さらに多くの方が救われることになるでしょう。保存療法には未知なる可能性を秘めています。しかし、まだまだその認識は十分とはいえません。今回も、日本からの出席者はまだ両手で数えられる程度です。携わる側の意識が変われば、この治療界も変わります。トロントも素敵な街でしたが、来年はオーストリアでの開催が決まりました!

 

そして今回の旅のもう一つの目的。それは、第二の故郷、理学療法士としての人生を導いてくれたカナダの家族に会うことです。

記憶を辿りながら車を走らせトロントから4時間。ようやくFamilyの家を発見。3回ドアをノックし何の反応もなかったのでもうこれまでかと思いましたが、その直後扉がオープン、そこには当時のままKeyの姿が。大きなハグと笑顔で出迎えてくれました。20年の月日が嘘のよう。お互い年は重ねましたが、何も変わらない当時のまま。Denisは少し体調を崩されていましたが、今でもお元気。懐かしさに浸りながら、楽しいひと時を過ごすことができました。来れた良かった!

 

 

 

ginzaplus 佐藤正裕(理学療法士)

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