【股関節唇損傷】フィギィアスケートと股関節痛

 

海外では当たり前に実施される保存療法も、日本ではその場を探す事すら困難です。

日本の股関節学会でも保存療法に関する報告は聞かれますが、やはり、手術が主流派の意見。

結局は手術に至るとの前提があるのでしょう、あまり積極的とはいえないように思います。

昨年から変形性関節症の国際学会に参加しています。

海外で扱う保存療法とは日本のものとまるで違います。

単にベッド上のリハビリのみならず、生活ができるように取り組んでいます。

 

今年はインドで筋痛症学会が開催されます。

皆さんは、変形性関節症は骨や軟骨が痛みの原因だと思ってはいませんか。

世界の専門家はまた別のところに注目しています。もちろん私も出席してきます!

 

さて、本日も症例紹介です。

アメリカで活躍されるフィギィアスケーターです。

 

【医療機関で診断された病名】

股関節唇損傷、臼蓋形成不全

 

【解説】

これまで股関節の脱臼治療経験はなく、股関節に違和感を感じはじめたのは2014年になってから。ダブルアクセル、練習中に股関節を痛め、ランニングの最中に悪化。一時は安静にすることで軽減されたものの、練習量の増加と伴に増悪。股関節を動かすと同時にクリック音が生じはじめ、パソコン作業などの安静時にも痛みを訴えるようになり、地元アメリカの専門医師を受診しました。MRI検査結果から「1/3が欠損した股関節唇損傷」との診断。ただ、臼蓋形成不全を伴う股関節唇損傷の場合、手術は技術的に困難を極め、その後のスケート復帰も危ぶまれるため手術は勧めない、とのアドバイス。保存療法を勧められ、現地の理学療法士が常勤するクリニックをいくつか訪ねましたが、いまひとつ効果を実感できずご相談頂きました。

日本に滞在中、1週間に渡って数回の施術を実施したところ、運動時の痛みはほぼ解消され可動域も正常範囲以上に改善。練習も再開できるようになりましたが、筋力低下が目立つため、筋トレをメインに経過観察の予定です。

 

【理学療法士コメント】

臼蓋形成不全に伴う股関節唇損傷は、本場アメリカでも、手術後の経過が思わしくない事から禁忌として扱われます。日本では、変形性股関節症の予防を目的に、瞬く間に普及しましたが、やはり実際に蓋を開けてみると、完治例ばかりか不良例が目立ち、決して優先すべき治療法でない事が理解できます。手術をしても同様の痛みが生じたり、反対側に痛みが生じたり、中には数年以内に人工関節に至るなど、手術適応の判断や技術的な問題に留まらずリハビリとの連携不足は否めません。

数多くの股関節唇損傷例を担当させて頂く中で、私が、特に重要だと考えているのは、以下の3点です。

 

1、痛みを抱えている筋肉の特定とケア方法の習得、

2、危険な動作と安全な動きの理解、

3、症状に見合った筋力トレーニングの実践と日常生活指導、

 

どれが欠けても上手くいかないかも知れません。対象となる方の症状はもちろん、保存療法への受け入れ状況やその人の性格、心理的な状態などを判断し、配分を決定していきます。中には、偏った医療情報に翻弄され、どれも上手くいかないケースも存在します。極端に安静にしたり無理に動いてみたり、症状を悪化させてしまっている方もいらっしゃいます。しかしながら、股関節唇損傷の痛みとは、理学療法士にとっては決して難しい痛みではありません。症状に対する理解が得られ、信頼関係のもと運動量さえ確保できたなら、完治も目前です。

 

【痛み】

「右足を前に上げると途中で引っかかる。」

 

【ginzaplusへの期待】

「フィギィアスケートやダンスが前のようにできるようになりたい。」

 

【施術期間】

 計3回、約1週間

 

【施術前・施術後 (クリックで動画に切り替わります)】

ginzaplus 佐藤正裕

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