【股関節唇損傷】保存的治療とその効果〜股関節学会〜


よつばのクローバー
おはようございます!


お笑いタレント、松本人志さんで一躍有名になった股関節の病気、
股関節唇損傷(こかんせつしんそんしょう)。


最近ではプロ野球選手でもある読売ジャイアンツの
久保投手も同じような手術をされたようです。


年末に最後、松本人志さんをテレビで拝見したときには、
疲労骨折のため一人椅子に座り出演されていました。
一方、久保選手は最近、
右ひじに張りを訴え、出場選手登録を抹消。
手術を控えていると聞きます。


股関節唇損傷→内視鏡手術を決断された場合、
一番心配されるのは、長期的な予後です。
人工股関節であれば、
最低10年、15年以上はもつといわれていますが、
内視鏡術に関しては、こうした長期的な予後に関する報告は
これまで耳にしたことはありません。
私の勉強不足かもしれませんが、
手術はしたけれども、
「何年もつかわからない」、というのがここでの印象です。


と言いますのも、
内視鏡後、かつての痛みは無くなったとはいっても、
極端に身体のバランスを崩し、
負担になるような股関節の使い方をし、
身体のあらゆる箇所に痛みを抱えている方たちが多いからです。
これでは、
遅かれ早かれ他のトラブルが生じることは容易に想像できます。


手術に関して、
実際に手術を受けた患者さんからも賛否両論ありますが、
まずは、リハビリプログラムの充実が必須です。
“再発予防”の取り組みです。


術後早期に可動域を確保し、
筋力を発揮できるような体内環境を整えてあげる必要があります。
おそらく一部の医療機関、患者さんを除き、
専門的なリハビリがなされていないまま退院を求められ、
社会復帰を余儀なくされています。
そうなると不十分なまま、
都合の良いように身体は動き始めてしまうので、
可動域の問題や他関節への痛みなど
二次的な合併症に苦しむことになるのです。


私は、大学病院時代から、
「外傷を除く、慢性的な整形疾患の痛みは、本来手術を必要としない」
と教えられてきましたが、
今話題の「関節唇損傷」も同様に考えています。


本当に股関節唇が痛みを出しているのかは、
わざわざ複雑な身体に負担になるような高度な検査など
行わなくても、その場で推測できます。


股関節唇損傷に対する保存療法の成果が発表されています。
某大学病院では、
関節唇損傷との診断した患者さん数十名に
保存的治療を施行しその治療効果を報告しています。
一部ご紹介させていただきます。



【股関節唇損傷に対する保存的治療について】


【目的】
股関節唇損傷に対して、
手術的治療に関して数多く報告されているが、
保存的療法についてはあまり検討されていない。
今回、我々は問診、理学所見、画像所見などにより股関節唇損傷と
診断した症例に対して保存療法を行い、その効果について、
検討したので報告する。


【方法】
2008年以降、
股関節唇損傷と診断した12歳〜65歳までの
29例31股につき検討した。
保存療法を行い自覚症状が改善するまでの期間、
他覚所見の消失、
また股関節唇損傷に関連する要因として
臼蓋形成不全の存在についても検討した。


【結果】
保存的治療にて症状の改善がみられた症例は、
31股中28股であった。
症状の改善までに要した期間は、平均1.4カ月であった。
臼蓋形成不全は、6股であった。


【結論】
股関節唇損傷に対して、保存的治療は有効的であると思われた。


参考:第37回日本股関節学会学術集会抄録から抜粋


短期間にこれだけの成果を上げている保存療法は、
今後もっと注目されるべきです。


あくまでも私の立場からみた現状ではありますが、
メスを入れずに症状が改善してきた方たちを
これまでも多く拝見してきています。
内視鏡術そのものを否定するという訳ではなく、
切ってからのフォロー体制が不十分であることに
一番の疑問を感じています。
リハビリが充実していない手術にはリスクがつきまとうのです。


整形外科の先生は、
手術のスペシャリストではありますが、
保存療法やリハビリの専門家ではありません。


それならまず、
保存的治療でその改善の可能性を探るべきです。
股関節唇損傷を疑われたからには、
これもまた是非とも知っておくべき情報です。







ホームページは
こちらから…

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コメント

めいさん、
昭和大学の報告です。
改善例の中に臼蓋形成不全は含まれています。
関東でも幾つかの医療機関が、
股関節唇損傷に対する保存療法の効果を報告しています。
臼蓋形成不全でも股関節唇損傷が実際には痛んでいないケースが多くあります。
コメントをありがとうございました。

  • ginzaplus 佐藤正裕
  • 2016/07/09 11:40

40代の女性です。
臼蓋形成不全で股関節唇損傷による痛みがあります。
保存療法に興味がありますが、その学会抄録にある「臼蓋形成不全は6股であった」というのは、改善した数なんでしょうか?
そうであれば希望が持てますね。
ちなみにどこの大学病院かも教えて頂けると嬉しいですf^_^;)

  • めい
  • 2016/07/07 18:34

ゆかさん、

お問い合わせをありがとうございます。
股関節唇損傷も早期なら手術をせずに回復が
期待できます。

大阪出張セラピーの詳細をお伝え致します。
予約フォームからご連絡いただけますと
助かります。
よろしくお願い致します。

佐藤

  • <佐藤正裕>
  • 2014/04/07 18:56

初めまして、40代・女性です。
数日前、股関節に激痛が走り歩行困難となり、緊急受診し、股関節損傷の疑いと診断されました。
座薬と痛み止め内服で様子みていますが、初めて聞く病名で、仕事復帰できるのか?治るのか?ととても心配で不安です。

此処を拝見させていただき、是非、先生の大阪出張セラピーを受けたいと思い、恐れ多くもコメントさせていただきました。

  • ゆか
  • 2014/04/06 01:28

ちぃさん、

コメントを拝見致しました。

股関節唇損傷との診断でも、
保存療法で痛みが改善されれば、
たとえ画像上の異常が残っても、
担当の先生も、無理に手術は勧めません。

ちぃさんも手術をしてしまってからでは、
もし万が一の際には、
年齢が若くても、人工関節が待っています。

また受傷起点からも、
おそらく痛みの原因は、関節内の異常ではなく、
他の要因が推察されます。
まずは保存療法をお試しください。

直に効果が出なければ、
いつでもご相談ください。

  • <佐藤正裕>
  • 2013/11/11 20:09

こんにちゎ

交通事故で股関節唇損傷、炎症、で足がサイドに曲げにくく痛みが有ります 炎症がおさまれば痛みは増しになると言われたけど もうすぐ一年になるけど変わらずです 手術が嫌で、切れたままの人も沢山居るから日常困らなければ薬や注射でも生活している人も沢山居る と言われています

手術で炎症部分を取って切れてる部分を縫えば今より痛みは軽減されると言われました。

今すぐに手術をしなくても大丈夫ですが進められています 切れている部分は前の方が少しみたいですが、やはり手術に戸惑っています

保険もそろそろ手術か示談を迫られて居ます いずれは手術しないと駄目なら保険でしたほうが良いでしょうか?

  • ちぃ
  • 2013/11/10 15:20

佐藤先生

ご返事ありがとうございます。
診断を受けてから、どうしたらいいものかずっと悩んでいたので、
ご返事頂けてとても嬉しいです。
妊娠出産に関して全く問題ないというのは、私のこの現場維持のままでもということでしょうか。。?
手術をせずに妊娠出産に臨める可能性があることを聞き、とてもホッとしました。
股関節唇損傷を患ったまま妊娠出産に臨んで出産後に ものすごく症状が悪化して今は歩くのも難しくなってしまったという方のブログを拝見したもので、それからずっと怖くて、心配で、不安でしょうがなかったので、本当にホッとしました。。

損傷を引き起こしたのは、ちょっとしたアクシデントがあったので、それが原因かと思います。(はっきりとどういったアクシデントか書けず申し訳ありません。。)
ただ、そのアクシデントがあったのは昨年の5月なので、もうすぐ一年になってしまいます。
(正しい診断を受けるのに、随分病院を転々とし、ようやく11月に関節唇損傷が判明しました)

保存的治療にまだ間に合いますでしょうか。。?
もう保存療法が上手くいく可能性はだいぶ低いでしょうか。。

ご相談をしたいのですが、どのようにしたらよろしいでしょうか。
実は、現在アメリカに住んでおりますので、お話を聞きにオフィスにお伺いするということも出来ないのです。。
一時帰国を考えていますが、今すぐというのは少し難しい状況です。。


  • はるこ
  • 2013/04/05 21:09

はるこさん

はじめまして。佐藤と申します。
コメントの内容を拝見しました。
今後の将来に向け不安な心中をお察し致します。

まず股関節唇損傷の治療についてですが、
現在では、
「保存療法」を数ヶ月行い、
それでも改善が得られなかった場合「手術」へ移行する、
こうした考え方が
ゴールデンスタンダードになりつつあるようです。

また妊娠出産に関しましても、
今はまったく心配の必要はございません。
ただ、
痛みの原因を取り除くことが大切です。
股関節唇も、黙っていて損傷を受けるとは考えられません。
何か負担になるような動作、
軽微な刺激が繰り返し加わることで、
損傷を引き起こしたように思われます。

股関節の痛みは、
放っておいてもなかなか“根本の痛み”は改善されない
といった特徴があります。
できるだけ早い段階で保存療法に踏み切ることをお勧め致します。

日本全国の専門医から
股関節唇損傷を診断された方がお越しになられます。
早ければ早い程未手術で完治も可能です。

ご参考になさって下さい。
ご相談いつでも承ります。




  • <佐藤正裕>
  • 2013/04/05 13:04

初めまして。
私は右の股関節唇損傷と2012年の11月に診断を受けました。
痛みは殆どなく、日常生活にも問題はありません。
ただ走ったりすると、強い痛みが内側の腿の付け根に走ります。
あと、最近は長い時間歩くとダルイ痛みが内側の腿の付け根に出ます。
ただ、最近軽いヘルニアを発症したので、このダルイ痛みが股関節唇損傷からなのか、ヘルニアからなのかは分かりません。
質問なのですが、保存的治療が上手くいった場合は、妊娠出産も可能なのでしょうか。。。
できれば私も保存的治療で手術を避けたいのですが、股関節唇損傷を抱えたまま妊娠出産に耐えられるものなのか、それが心配で、やはり手術しかないのか。。とも思っています。
保存的治療を行うと、どのくらいの負荷に耐えられるようになるんでしょうか。。。


  • はるこ
  • 2013/04/05 02:25

めだかの爺さん

はじめまして。佐藤と申します。
貴重な御意見をありがとうございます。

そうですね、股関節唇損傷が疑われていれば
まずは第一優先は保存療法です。

今私がこちら担当させていただく限り、
股関節唇損傷手術後の成績には、
差があり過ぎます。
上手く行っている方とそうでない方。

現在の状況をみると、
まだ色々と試している段階と思われます。
手術の方法、
例えば、
■関節唇は切除が良いのか。縫合が良いのか。
■臼蓋形成不全にも有効なのか。
■画像所見上の異常を手術適応と判断して良いの 
 か。などなど、
股関節唇損傷の治療には
まだ多くの課題があります。

外科治療に関することだけでなく、
特に保存療法の中身を考慮する必要が
あると思われます。

切ったら切り放し、
その後のフォローが出来ていない医師も少なくありません。
優秀な医療従事者と組んで、
再発予防に向けたリハビリもっと真剣に
考えるべきです。

何かお困りの際は、いつでも御相談下さい。
全国から股関節唇損傷疑い、未手術、
手術後の方がお越しになられています。
コメントをありがとうございました。

  • <佐藤正裕>
  • 2012/09/30 19:05

先ず保存的治療が正しいと思います。どうしても歩けなくなったりQOL悪化の場合に手術だと思います。医療技術は日々進歩しますので手術はできるだけ先延ばしするのが良いと思います。現在右股関節に疼きがあり股関節唇損傷が疑われています。上記の方針で進めたいと思っています。

  • めだかの爺さん
  • 2012/09/28 14:04
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