【股関節唇損傷】関節唇損傷は股関節痛の原因にはならない?

 

忙しいは理由にならない。時間は自分で作るもの。

が、モットーでしたが、何だかバタバタしておりました。。。汗 進行中の仕事を仕上げたり、新たな役割を任されたり、脳みその隅々まで使い賑わっています。先日、時間ができたので久々に論文サイトを開いてました。ちょうど1ページ目からワクワクするような内容がズラリ!やはり、私にとっては、海外の論文は活動の原点です。変形性股関節症の保存療法を本気で取り組もうと思ったのもそうですし、大元の学術集会に参加しようと思えたのも、海外の研究論文のおかげです。出会えていなかったら出発も進展もなかったでしょうね。

 

論文を読み感銘し、著者に会い、その中心となる学会に出席し、生の声を聴く。

リアルを追求するが、私のやり方です。だからバーチャルではダメなんです。誰かがどうこう言っても、読んだ聞いただけでは不十分。実際に自分の目で確認できないと気が済まないタイプなんですね。

 

本筋から外れそうなので、早めに今回のテーマに話を戻しましょう。

今日のテーマは「股関節唇損傷は痛みの原因にならない?」

 

今年の股関節学会でも、専門医から非常に厳しい且つアグレッシブなコメントが上がっておりましたが、いよいよ日本でも、公に、股関節唇損傷と痛みとの関連性に疑問符が投げかけられるようになりました。私は、多くの股関節唇損傷患者さんからご相談いただく随分前から、論文サイトで股関節唇損傷の本質に関わる情報を常にフォローしておりましたので、この変化に驚きはありませんが、大きな進歩として受け止めています。結論から申し上げれば、股関節唇損傷を日本人に発症する股関節痛の原因と位置付けるには、無理があるのでは...と思っています。

 

もちろん一切無い、という訳ではありません。

これはまた別の論文を引用すれば答えは出そうですが、解剖学的にも日本人の股関節の安定性に大きな役割を演じているのが、股関節唇。加齢に伴う損傷は十分に考えられますし、損傷し易い箇所と断定できるでしょう。

 

さて、最近海外では、こうした内容の論文を多く拝見するようになりました。

 

「股関節痛を訴えない若年者を対象とした股関節唇損傷の割合」

 

 

つまり、股関節唇損傷は本当に痛みの原因と捉え治療対象としてみなして良いのか、という趣旨の論文です。

下記に要約を記しておきます。

 

研究対象は、股関節痛を訴えのない男女70名。

平均年齢は26歳(19歳〜41歳)、男女比は、女性47名(67.1%)男性23 (32.9%)。

 

MRI検査を2回行い、股関節唇損傷が発覚したのは27名(38.6%)。

内訳は、関節唇単独損傷は16人 (22.9%)。他11人 (15.7%)は、関節唇損傷以外にも他の関節内の損傷、骨の変形なども合併。

 

つまり、今回の研究結果からは、股関節痛を訴えない一般の人でも、かなりの高い確率で、股関節唇損傷が確認されるとの報告です。

 

この事実を聞いても、皆さんは何を想像しますか?

 

今、日本の股関節医療界を賑わす「股関節唇損傷」、実は、痛みの原因ではないかも知れない説です。手術をされた方はびっくりですよね。でも、あながち間違いでもないかも知れません。こうした内容の論文が結構この世に出回ってるのです!

 

私自身の経験から申し上げれば、日本で股関節唇損傷と診断された方のほぼ100%、完治へと導いてきました。よく扱われるような体幹トレーニングなどは一切行いませんし、純粋に、股関節唇損傷を引き起こすメカニズムに従って、損傷箇所への負担を取り除くだけで、痛みは解消されています。但し、そうした方の中にも、股関節唇損傷を診断され、将来的な手術までいきなり言い渡され、不安な表情で藁にもすがる思いでご相談にみえるのです。ちょっとさっきまで健常人だったはずが、痛みとの関連性が未だ定かではない股関節唇損傷を言い渡され、いつしか病人へ生まれ変わるのです。動かせば関節唇が挟まる?ちぎれる??真のような嘘のような情報に錯綜しながら生活を送っている姿は見るも無残です。直接現場に携わった医療者の罪は大きいと言えるでしょう。

 

それでも、手術前ならまだ良いほうです。手術後となると、一筋縄ではいかなくなりますから。ひとつには、以前のブログでも取り上げましたように「術後遷延痛」の影響があります。手術前から強い恐怖心を抱いている方は要注意ですね。不安が確信に変わってから臨むことが懸命です。もうひとつ、担当医からも適切な状況説明がなされておらず、焦りからか間違った方向へリハを進めてしまっている方もいらっしゃいます。いずれにしても、こうした状況を改善する上では、この手の論文でも多く扱われるように、「術前スクリーニング」は欠かせないように感じています。

 

具体的に私個人が捉えているのは、手術前の精神状態、強い不安や恐怖心がある方へはやはり避けておきたいですね。また、既婚/未婚含め生活環境が孤立している場合にも、術後に無理をしがちです。それと最後に、精神疾患を抱えていた経験のある方。メンタル系の

薬を服用されている方も要注意です。

 

現状を知れば知るとほど、恐ろしい状況であることが分かると思います。要するに、まだ病態そのものが明らかになっていないまま、治療だけがドンドン先に進められ、しかも苦しんでいる方も年々増えている。どこかで、ブレーキをかけなければならないのですが、その鍵を握るのは、おそらく現場で直接関わる医療者ではないでしょうか。実際に悪化例を多く担当しているのですから。

 

実はもうひとつ、2017年に発表された股関節唇損傷とメンタルに関する論文、これだまた興味深い内容です。この点に注目している研究者がいると思うと嬉しいですね〜時代の変化でしょうか。また近々ご紹介させていただきます。

 

「公開講座」

■東京・新宿

 12月9日(土)午後12時30分〜14時45分

 申し込み受付先:朝日カルチャーセンター新宿教室

■福岡・博多

 12月16日(土)午後13時〜15時

 申し込み受付先:朝日カルチャーセンター福岡教室

■神奈川・横浜

 来年1月20日(土)午前10時30分〜12時00分

 申し込み受付先:朝日カルチャーセンター横浜教室

 

「出張施術」

■博多 12月13日(水)〜16日(土)    ホームページ上で予約受付を開始しています。

■大阪 来年1月16日(火)〜18日(木)  12/1日よりホームページ上で予約受付開始します

 

 

ginzaplus 佐藤正裕(理学療法士)

お問い合わせご予約

☎03-6228-6058

ホームページ http://ginzaplus.com/jp/

 

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【変形性股関節症】やってはならない4つのこと



先週末は福岡で
出張施術と朝日カルチャー主催の勉強会が開催されました。
今回も満員御礼、
山口や四国方面からもご参加いただきまして、
誠にありがとうございました。
これまでの保存療法での経験を、
参加いただく皆さまとともにシェアさせていただくことで、
今後も一緒に成長、学んでいきたい、と考えております。
来月12月には新宿と湘南、
来年2月には再び新宿での開講が予定されております。
ご興味のある方は、ぜひご活用下さい。


そして、週末には初のラジオのお仕事をさせていただきました。
股関節の痛みに関してはもちろん、
家族のこと、プライベートのことなど、
色々とお話しをさせていただきました。
お声をかけてくださったのは、
なんと6年前にginzaplusへ通ってくださっていた方!
久しぶりの再会、
今はラジオのパーソナリティとしてもご活躍!
素晴らしいですね〜。


さて、
銀座も連日ご予約でいっぱいです。
国内のみならず、海外からもご相談にみえます。
担当の医師は、
「痛みをとるには手術しかない」、
「いずれ手術が待っている」、と仰るようですが、
私の見立てが悪いのか、
それほど股関節の状態は悪くはないですし、
まだまだ十分に使える股関節です。


もちろん、手術を望めば話は別ですが、
こんなことで直ぐに手術になってしまっては、
世の中、手術だらけになってしまいます。。。汗


先日お越しくださった方は、
全身のレントゲン画像をなんと10枚!?
また別の方では、
レントゲン画像に併せMRI、さらにはCTまで!?


手術もそうですが、
検査も決して安価なものではありません。


下記は、アメリカにおける平均的な検査費用です。




私がカナダに住んでいた頃、
スキーで転倒し受診した際、請求されたのは924ドル。
医師の診察とレントゲン一枚でこの金額です。
保険に入っていなければ、到底まかなえる費用ではありません。


日本はある意味恵まれているのかもしれません。
検査も手術も、
他国と比べ比較的容易に受けられます。
しかし、その分、
手術に向かわれる機会も増えている、といいます。


医療に関しては、アメリカでは裁判も日常的です。
色んな面で非常にシビアです。
医師と患者が常に対等で、公平な医療を実践できるよう、
有益な情報が至る所で、簡単に手に入ります。


ところが、
日本では、変形性股関節症に関われる職種が限られているため、
得られる情報も偏っています。


下の動画は、
患者さまと医療者向けに作られた教育ビデオです。


画像所見との因果関係、検査へのリスク、
安静が害であること、など、
痛みと向き合う上で、
知っておかなければならない基本的な情報が盛り込まれています。




どうでしょうか。
日本では滅多にお目にかかれない情報の数々。
科学的にも検証され、安全で安価な医療を実践しようとする、
アメリカならではの試みです。


以下は、
痛み治療においては、
「やってはならないこと」、4つが指摘されています。
上記の動画と合わせ、引用文献を参考に補足しています。
ご参考になさって下さい。


まず、1つ目は、
「検査を急がない」こと。


画像所見とは、単に、正常との違いを映し出すに過ぎず、
決して、痛みの原因を表現するものではありません。
検査結果から、かえって患者さまの心配を煽り、
手術に至ってしまうケースが増えている、といわれています。

画像所見が必要とされるのは、
感染症だったり、がんの疑いがある、
その他高熱、排泄障害などの兆候がある場合のみです。
度重なる放射線を受けることによる、
がん発生のリスクも報告されます。


2つ目は、「安静」です。


数十年にも渡って、
これまで医療者は、痛みがあれば安静に、痛いことはやらないように、と診療の際にもアドバイスをしてきました。
ところが、2010年のある論文を皮切りに、
実は、安静にすることは痛みを沈静化させるどころか、
治癒を遅らせる危険性を示唆されはじめています。

安静期間は長くても4日、
それ以上は、治癒を遅らせると警告しています。


3つ目は、「間違った薬の服用」


当たり前のように処方される痛み止めも、
服用の仕方を誤ると、治りにくくさせます。
変形性股関節症であれば、
3ヶ月以上の服用は、進行を助長する、と報告されます。


そして、最後4つ目は、「不必要な手術」


特に、日本の一般整形では、
股関節の痛みには、すぐに手術が言い渡されます。
しかしながら、痛みの要因は多種多様であり、
手術だけではそれを補えない、と報告しています。
痛みがとれても歩き方が治らない、
反対側まで手術に至るなど、心当たりがあるかも知れません。
原因によっては、全てが手術だけでは解決されないことを
述べています。


以上、
日本語だけに情報に頼ってしまうと落ち込んでしまいそうな情報も、
海外にまで目を向けると、
痛みに対する考え方は丸っ切り異なります。


後は、こうした情報の中から、
ご自身の症状と希望にマッチした治療へと歩むべきでしょう。


股関節痛に関していえば、
直ぐにでも画像所見や手術が必要とされるケースは、極々少数。
痛みを抱えるまでの経過と、
その動き方、股関節の動かし方をきちんと診ることさえできれば、
自ずと、痛みの原因は明らかになるものです。


多少軟骨の隙間が狭くなっていても、大丈夫です。
骨が多少普通の人と違っても、大丈夫です。
そんなことだけで手術をしていたら、
日本の医療がパンクしてしまいます。
(もう手遅れかも知れませんが。。。)


現在の診療に、治療方針に疑問があれば、
ぜひ一度ginzaplusへもご相談下さい。



ginzaplus 佐藤正裕(理学療法士)
お問い合わせご予約 
☎︎03-6228-6058 ※6月1日より変更になりました
ホームページ http://ginzaplus.com/jp/

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【研究論文】歩行時における股関節唇を傷つける動き






「筋肉を鍛えましょう」「筋力を落とさないように」
股関節痛の治療の現場では頻繁に耳にします。
確かに国内の学会や世界的なガイドラインでも筋力強化は
推奨されています。


皆さんも医療機関にかかり医師や理学療法士に
そのように勧められると、
夢中になって取り組んでいる方もいらっしゃいますね。


ただ何となく不自然だと感じるのは、
これまで普通に過ごされてきた方たちが、
ある日突然
変形性股関節症あるいは臼蓋形成不全を言い渡されたのを堺に、
これまで縁がなかった筋力トレーニングに取り組み始める。


どこか違和感を感じてしまうのは、私だけでしょうか。


基本的には、これまでの生活自体を変えることもないでしょう。
それよりも何よりも先ず
ご理解いただきたいのは、
「股関節痛」と「筋力低下」とは表裏一体。
痛みを作る動き=筋力低下、
を日々行ってしまい、それに気付いていないことです。
普段の生活をベースに、基本動作の見直しが肝心です。



興味深い報告があります。


Impingement free range of motion requirement of the hip
joint is not well understood. Studies have attempted to quantify range of motion requirement of the native hip through clinical measurements, gait analysis and CT dynamic situation.



歩行時における、股関節唇への影響を示した論文です。




(Med Biol Eng Comput(2013) 51:467-477)


報告によれば、
足をどの位置に接地するかによって
股関節唇への影響が示されています。
同時にインピンジメント、
骨性 or 軟部組織性と区別され影響が調査されています。


足を地面に着くとき、
皆さんは、どうやって接地していらしゃるんでしょうか。
その際の股関節の動きは、どうなっているんでしょうか。
考えたこともないですよね。


これまでの無意識を今一度見つめ直す、
保存療法ではとても大切なことです。


股関節へと不利な動きを繰り返せば、
当然痛みや筋力低下は伴います。


この図を眺めていると、
股関節唇損傷への手術が、現時点では、上手く行っていない理由も、
読み取れるようです。
皆さん許容範囲を越えて、
動かし過ぎてしまっているのかも知れません。


痛みや違和感を抱えても、
まずは、痛みを作るような動きへの理解。
これさえ最低限守れれば、
極端な筋力低下も心配はいりません。
もちろん過酷な筋トレを課す必要もないでしょう。



股関節にとって不利な動き、
痛みを引き起こし易いパターン、
筋力低下を招き易い動作、
股関節痛を抱えるようになる方では日々の生活で繰り返しています。


保存療法の効果云々に関する論文も興味深いですが、
こうした基礎的な研究こそ、
理学療法士が関わらなければならなポイントが
明確に凝縮されているようです。


股関節痛を抱えたからにはまずは日常動作の改善を。
歩き姿勢、荷重の仕方を中心に、
手術前でも術後であっても、
大事に至る前に早めのチェックをお勧めします。


 

Website (ホームページ)
Twitter
☎03-6252-9070(ご予約・お問い合わせ)

◆各地 出張セラピー
 予約フォームからお申し込み下さい。  
 大 阪:2014年 2月19日(水)〜21日(金)
 名古屋:2014年 2月5日(水)〜6日(木)
 仙 台:2014年 5月頃を予定

◆早朝枠
 朝9時〜の早朝枠をご用意致しました。
 初めて、継続の方でも承れます。
 お電話、メールにてご相談下さい。

◆オーダーメイド・インソール(¥11500)
 正しいな姿勢、歩きの実践のために、
 インソールを作成しております。
 所要時間約30分程。セラピーとも併用可能です。
 事前にご相談下さい。

◆ポケットフィジオ
 持ち運びに便利な筋肉をほぐす道具のご紹介です。
 人肌に近い素材のため床でも滑りにくく、
 股関節周囲のマッサージに最適です。
 テニスボールやゴルフボールでは使い勝手に苦労されていた方、
 お勧めです。
 
 
◆予約状況
 毎月1日に翌月のご予約状況が確認いただけます。
 2月1日に3月の予約表をアップします。

◆【一般の方向け】勉強会のお知らせ
 朝日カルチャーセンター主催
 「股関節痛の予防と対策〜姿勢、歩き方にも着目して」
 日時:平成26年 2月 1日(土)午後1時〜 
 場所:神奈川県藤沢「藤沢ルミネプラザ9階」 
 お問い合わせ、お申し込みは、
 tel 0466-24-2255、またはこちらまでお願い致します。
 「朝日新聞」でもご紹介いただきました。

  


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