【リハビリ】鍛えるなら中殿筋よりも内転筋

 





【キャンセルの空きのご案内(11月23日現在)】

日時:2013年11月25(月)午前10時30分〜
場所:東京・銀座
ご希望の方はこちらからお申し込みください。



股関節痛を抱え病院へ行くと、
「筋力を落とさないように」、「筋肉を鍛えましょう」
と、とにかく筋力が付けば予防ができるとの錯覚に陥ります。
しかし筋力トレーニングといっても、
一般の皆さんが想像する筋力と、
専門家が必要と感じる筋力とは異なりますし、
また、整形外科の先生たちが思い描く筋力と、
我々理学療法士が期待する筋力とも違いそうです。


まずは手始めに、
股関節痛を抱える方の身体の中では、
一体何が起こっているのか。
筋肉の働きの特徴やその性質を理解しておくことが、
大切のように思われます。


例えば、
変形性股関節症患者さんの特徴でもある
肩を揺するような歩き方は、
お尻の外側に付着する中殿筋(ちゅうでんきん)の筋力低下が
原因であると指摘されます。


確かに間違ってはいないのですが、
中殿筋トレーニングだけやっても横揺れは解決できないでしょう。
時間だけを浪費してしまいそうです。





噂の中殿筋。
それと、その下層に潜む小殿筋。


私もこれまで、
数え切れない程の中殿筋を触診し、
その働きと特徴を観察してきましたが、
中殿筋とは、
股関節症の方にとっては、
敢えて負荷をかけて鍛える必要はなく、
それよりも、
パートナー的役割でもある内転筋の働きに
注目していく必要があるよう思います。


最近の報告では、
股関節症の方に特有な歩行、トレンデレンブルグ徴候も、
単に中殿筋や小殿筋に代表される外転筋の筋力低下だけでなく、
「張力低下」が影響している、と指摘されています。
(全人工股関節置換術前の逆トレンデレンブルグ歩行の有無による前額面における
 歩行時姿勢や運動機能と回復過程の差異.日保学誌, 15:219-230, 2013. )



従来の中殿筋トレーニングの常識が覆りそう。


既に触診された経験の方はお分かりのように、
変形性股関節症、または、股関節痛を発症するような方では、
中殿筋は想像以上のかたさです。
これでは筋力低下と誤解されても無理もありません。


また手術後の方では、
大抵の股関節手術はお尻の外側から侵入しますから、
中殿筋を狙ったトレーニングを行えば、
術創周囲への負担も避けられないでしょう。
可動域へも影響を与えます。
(人工股関節置換術における股関節外転筋・内転筋とトレンデレンブルグ
   徴候との関係. リハビリテーション医学, 36:234-236, 1999.)



それともうひとつ、
トレーニングの実践に際し抑えておきたいのは、
筋肉とは常に「対」になって働くということ、です。
上述したように、
中殿筋に注目するのであれば、
内股の筋肉、内転筋の存在は無視はできません。


皆さんの内転筋の状態はいかがでしょうか。
変形性股関節症の方では、
時間経過と伴に痩せ細り、縮んできます。
このような状態では、
相方でもある中殿筋は働いてくれません。


変形性股関節症患者さんの、
内転筋と外転筋の筋力を正常のものと比較した報告では、
それぞれ70%、130%であり、この不均衡が跛行を誘発している。
(変形性股関節症における患側立脚時の骨頭と臼蓋の適合性ならびに
  股関節外内転筋力について. Hip Joint 22:339-342, 1996.)

との指摘があります。



ご安心下さい。
人工股関節や自骨による侵襲の大きな手術以外、
ほとんどの方で中殿筋の量はそこそこ保たれているようです。
問題なのは、内転筋の乏しさ、でしょう。


知人でもある
名古屋で活躍する理学療法士は、
更に興味深い報告をしています。


進行期及び末期の変形性股関節症患者さん22名を対象に、
CTにて大殿筋、中殿筋、(大)内転筋の断面積を計測したところ、
最も萎縮率が高かったのは、内転筋。続いて大殿筋。
そして最後に中殿筋です。
(変形性股関節症における内転筋萎縮に関する一考察.
   Hip Joint 39:166-169. 2013)



ここでも初期から末期まで、
幅広く症状を拝見させていただいておりますが、
確かに、末期の方では、
内転筋の萎縮ばかりか、
人工股関節の手術の際には、
内転筋を切らなければならない方まで出てきます。


横揺れ対策に注目され続けた、中殿筋。
しかし、内転筋の働きが新たな脚光を浴びています。
状態を維持し、強化し、中殿筋の正常な働きに繋げること。
股関節症と上手に付き合っていく秘訣かも知れません。


次回、
実際のセラピー場面における、
内転筋トレーニング前後での歩行の変化を、
動画を交えご紹介させていただきます。



 

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 持ち運びに便利な筋肉をほぐす道具のご紹介です。
 人肌に近い素材のため床でも滑りにくく、
 股関節周囲のマッサージに最適です。
 テニスボールでは使い勝手に苦労されていた方お勧めです。
  

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◆【一般の方向け】勉強会のお知らせ
 朝日カルチャーセンター主催
 「股関節痛の予防と対策〜姿勢、歩き方にも着目して」
 日時:平成26年 2月 1日(土)午後1時〜 
 場所:神奈川県藤沢「藤沢ルミネプラザ9階」 
 お問い合わせ、お申し込みは、
 tel 0466-24-2255、またはこちらまでお願い致します。
 9/10付けの「朝日新聞」でもご紹介いただきました。
  


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