【人工股関節】保存療法の限界と手術療法の可能性




明日からは福岡へ移動し、
個別の施術と講演会が予定されております。
お陰さまで施術はご予約で一杯ですが、
朝日カルチャーセンター主催の勉強会にはまだ余裕がございます。
保存療法にご興味のある方、
手術以外の方法で症状の改善を望む方、
ご興味がございましたらぜひご活用下さい。
詳細、お申し込みにつきましてはこちらからお願い致します。


さて今日は、
保存療法の限界と手術療法の可能性について
考えてみたいと思います。


私は、最新版の変形性関節症の診療ガイドラインを見習い、
いかなる股関節の痛みであっても、
手術を行う前に、
保存療法を積極的に導入していくことを推奨しております。
また同時に、常に手術を見据えた視点でも最善を尽くしております。


股関節の痛みは、
多くの場合でメスを用いない、
保存療法により症状の改善が期待できます。
痛みを抱えてからの期間が短い、
杖なしで歩ける、
日常動作でもそれほど不自由がない、
最近ご依頼の増えているこうした比較的症状の軽い場合には、
たとえ医療機関からの手術の宣告も、
短期間のうちに症状の改善をお約束します。


しかし、痛みと過ごしてきた期間が長く、
幼少期から既に歩きに乱れがあったり、
可動域制限が強い場合には、
手術の方がより短期に目標達成が可能な場合もあり、
手術療法を視野に入れた取り組みも必要だと感じております。


私が最も気にしてみているのは、
その対象となる方のQOL(生活の質)です。
年齢に関わらず、
「今この時期をどのように過ごすか」が重要であり、
その人らしさを追求するためには、
手術に関する情報をお届けすることも惜しみません。


出産や子育ても一段落し、
さぁこれから自分の好きなことをやろう!
と思っても、脚が痛く動けないのは大変辛いことです。
保存療法により解決できる痛みがほとんどであっても、
なかには、
手術が最適な治療手段となる方がいらっしゃるのもまた事実です。


先日御会いしました70代女性の方は、
「絶対に手術はしたくない」と仰って大阪で初めて御会いしました。


これまで比較的順調に経過していたにも関わらず、
突然立っていて脚が出なくなり、
訪ねた先の医師からは、
「変形性股関節症、手術が必要」との診断を受けたようなのです。


施術前の様子です。





歩きはゆっくりであり、
関節の拘縮、脚長差の影響から動き出しの滑らかさは欠け、
伝い歩きでないと歩き出しが困難な状況にまで悪化しています。


おそらく、
強く痛み出したのは最近でも、
それ以前から普段の動きには拙劣さが目立ち、
いつ発症してもおかしくないような状況に追い込まれていたように
推測されます。


僅かな期間ではありましたが、
数回の保存療法では、痛みの消失、可動域と歩容の改善に、
かなりの時間と努力が必要であることが考えられ、
現在の年齢と目指す目標、
この方のこれからの人生設計を尊重した上で、
手術の可能性をお示ししました。


非常にがっかりされていたと思います。
私も非常に辛く悔しい瞬間です。
ただ、これ以上闇雲に保存療法を継続しても、
その改善の幅には限界があり、
返って、その先に予測された手術、またその後のリハビリにも
困難が生じると考えられたための苦渋の決断です。


ひとつアドバイスさせていただいたことは、
人工関節にすることで、
「痛み」と「歩き出し」は格段に良くなること。
しかし一方で、
手術前の影響が残り、「杖が直には外せない」こと。
またリハビリ期間を長く要し、
日常動作に関して、「可動域制限が残る」可能性があることなど、
全ての起こり得る可能性をご説明し、
保存療法 or 手術療法、改めて検討していただくことにしました。


そして決断後の様子です。





まだ杖を外せない状況ですが、
手術後2ヶ月、一歩目の歩き出しの不具合や痛みは解消され、
歩くスピードも速くなっています。


これからが本当の意味でのリハビリ、頑張りどころです。
手術前に精一杯努力をするよりも、
手術後、関節の状態が整った中で力を注げるほうが、
この方にとっては、目標となる到達点の高さが異なります。


70代という年齢、
何とか未手術で逃げ切れる可能性も十分にあります。
但し、こちらの方が目指すのは「山登りとハイキング」
当時の状態と対比し、
この目標に最も早期に近づけるのは、人工股関節の手術です。


年にほんの数例ではございますが、
どうしても状況により手術を避けられない場合があります。
未手術で望む方に手術のお話しをするのは非常に辛いです。
しかし、
手術を終えた笑顔を、満足した様子を間近で拝見しているからこそ、
皆さまへも真実とその可能性をお伝えできると思っています。


保存療法により多くの痛みは解消されます。
しかし、保存療法でも無理な場合には最後の手段、
人工関節による手術も残されています。


皆さまにとって、
最良な治療手段の提供を心掛けています。
手元にある情報は全てお話しします。
手術、その後のリハビリに定評のある医療機関など、
ご希望に合わせご紹介させていただいております。
どんな些細なことでも結構です。
不安やお困りのことがございましたら、
セカンドオピニオンでもぜひ一度ご相談下さい。


ginzaplus 佐藤正裕(理学療法士)
お問い合わせご予約 ☎︎03-6252-9070
ホームページ http://ginzaplus.com/jp/

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【人工股関節】手術後も痛みと歩行障害が生じる理由

 





変形性股関節症を診断され、
手術をしても尚、
痛みや歩行障害が生じる場合があります。


ginzaplusでは、
股関節の術後のケアも
専門的に拝見させていただいております。


最近では日本でも短期入院が、主流になりつつあります。
今後その勢いが加速すれば、
益々術後の後遺症に悩まされる方も増えるであろうと、
心配されます。


皆さんの中にも、
短期入院により、
十分なリハビリ指導が提供されないまま退院を迫られ、
その後のご自宅での生活やお仕事に支障をきたしている方も
いらっしゃるのではないでしょうか。


ここには、
全国のMISを専門に行う専門医療機関から、
手術後のご依頼が舞い込んできます。


手術を受ける前には、
皆さんの情報量にもよりますが、
一般に、股関節の手術を受けると、
その後に受けられるリハビリには期限が設けられます。


私が大学病院にいた同時は、
人工股関節の手術の場合、通常3週間で退院が促されます。
しかし順調でない場合には、提携病院へと転院し、
そこでのリハビリが継続されます。


手術の決断、病院選びにあたっては、
入院期間の長い、短いも判断材料になりますが、
手術前の股関節の状態によっては、
手術後、大変苦労される方もいらしゃいます。


ご自身の股関節の状態はもとより、
手術を受けようと計画している医師のリハビリに対する考え方、
提携医療機関等フォロー体制も十分に踏まえ、
手術を任せる病院を決断されることが望ましいでしょう。


人工関節の手術を将来的に考えた場合、
既に現在、太腿の太さに左右差が生じている、
関節の拘縮が著しい場合には、
たとえ患者さんご本人が短期入院を希望されても、
社会復帰には時間を要すことがあります。
無理をして再びかばいはじめれば、
今後は反対側へも負担をきたし、
結局、両側人工関節になってしまうことは
珍しいことではありません。


人工関節の手術後では、
黙っていて時間の経過と伴に改善されていく症状と、
そうではなく、
どうしても専門家の手が必要になる場合があります。
そのあたりの見極めが、
患者さんご自身では難しくなってきます。


例えば、骨盤の前傾姿勢。


既にお気付きの方もいらっしゃるでしょうし、
前傾しているのに、
全く気が付いていない方もいらっしゃるかも知れません。


余談ですが、
股関節唇損傷を抱える方でも、
骨盤前傾による過剰な筋肉の過活動を生み、
それによって唇損傷を招くことが、
海外の文献では報告されています。
実際術前でも、術後でも、
ほんどの方が過度な前傾姿勢を有しています。


未手術の方ではより一層、
骨盤の傾きへの配慮は、心掛けていただきたいですね。


日本の医療機関でも、
骨盤の前傾に着目した報告がいくつか聞かれます。
一部ご紹介させていただきます。
ref) Kaneko:理学療法群馬 2014


患者さんは、50代女性。
股関節痛を抱え、
整形外科で臼蓋形成不全、変形性股関節症を診断され、
2ヶ月後に手術を決断。
人工関節手術を施行されましたが、
10分も歩けない状態です。


介入前の様子です。




変形性股関節症患者さん特有の、
“ポッコリお腹”と“突き出したお尻”、前傾姿勢です。
こういった姿勢からでは、
やはり、数分の歩行すら困難になる場合があります。


それから2ヶ月。




不要因子を取り除くと、姿勢も改善されます。


適切な立位姿勢が保てるようになると、
今度は自然と荷重時にも、股関節周囲の筋肉も活動し始め、
痛みなく歩けるようになってきます。


骨盤の傾きに関しては、
手術後に限らず、手術前からの取り組み、
というよりかは「意識」が大切です。


特に、ご自身の判断で長年自己流の保存療法を
継続されてきた方たちでは、
痛みを避けるのに一生懸命になり過ぎるあまり、
骨盤への配慮が薄れ、
“足が痛いの?”、と他人から指摘を受けるような
立ち姿勢、歩き姿になりがちです。


一旦骨盤の動きが失われると、
段々と股関節の動きも制限され、
そこからの回復には、手術後であっても時間を要し、
限界が生じることさえあります。


「手術前の痛みはなくなったけど、今度は、まわりの筋肉が痛い」
人工股関節手術後の方ではよく聞かれる症状ですね。


もちろん単に術後の影響で、
時間の経過と伴に、
自然消滅する症状もありますが、
関節の状態が整ったとはいえ、骨盤の傾きは治りません。


適切な骨盤の位置が維持されぬまま、
運動量だけが増せば、
やがて周りの筋肉が悲鳴を上げるのです。


骨盤の位置が正しくセットされているかどうか、
動き回る前に、今一度、確認をしてもらいましょう。


ginzaplusでは、
手術後も、リハビリフォローさせていただいております。
リハビリを打ち切られた、
望むようなリハビリが提供されていない、
毎回担当療法士が変わって進歩が感じられない、
などなど、
手術後に問題がございましたら、いつでもご相談下さい。


特に人工関節の場合では、
1本を行うと、必ず、2本目のリスクがつきまといます。
早目に骨盤の傾き、姿勢、歩き方まで整えておくことが、
反対側への負担も軽減できるでしょう。


If you have excessive pelvic tilt before the hip operation,
you do better fix it proper position to individuals beforehand.
Typical hyper anterior pelvic tilt is common cause of hip pain. This could lead the fumur of the hip forward where the lack of the shelf of the acetabulum resulting in contracted hip flexors and causing damage of lubrum tear.

If you decided to not to take another operation to the non-affected hip or strong willingness to overcome the hip pain by adapting the conservative  therapy, all you need to know is
how your pelvic is actually tilted or whether your pelvic tilt is normal. These evaluations needed to be performed by the licensed and experienced physical therapists but not all mentioned, which causes some problems to the patients. 

Most of the clients visiting me say, there is no more inner pain, but the outer need to be cured. These claims are one of the symptoms that they are now in the process of obtaining the proper posture alignment.

Because of the nature of the human, a certain degree of anterior pelvic tilt is normal in humans, but women tend have more anterior pelvic tilt, that's the one of the reasons for suffering from the hip pain.

On facing the difficulties of continuing the rehab, please feel free to contact us. Just to avoid another operation to your healthy limb.




保存療法を分かり易くまとめました

2015年各地出張治療、講演会のお知らせ
 
予約表が見やすくなりました!

お勧めインソールと筋肉ほぐし道具のご紹介

 
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【動画紹介】人工股関節の手術を受ける前に知っておきたいリスク(Nさんの場合)

    





股関節の痛みにも、
その場で解消されるような痛みが多く存在します。


最初は、薬も使わず、余計なトレーニングも行わず、
まずは徒手による治療的な介入を経て、
痛みがどの程度改善する可能性があるのか、
探ってみるのが望ましいでしょう。


もしその場で、軽減されたり消失するような痛みであれば、
手術は否定的です。
また可動域も同様に、
1回の施術で可動範囲に改善の兆しがあれば、
直ぐには手術を考える必要もないでしょう。


ただ、全く痛みが引かない、
あるいは、他の症状が疑われる場合には、
画像所見が参考になります。


皆さんが想像する以上に、
手術が適応になるような痛みとは、それ程多くはないものです。


また手術を行っても、すんなり改善されていく方と、
どうしても、
理学療法士の手が必要になる方がいらっしゃいます。


手術前からもある程度は予測がつくものですが、
時として全く予期せず、
術直後から悪化を辿るようなケースも珍しくありません。


特に、人工股関節や関節鏡手術は、
短期入院も奨励され、
簡易に済ませられる手術とのイメージが先行しがちですが、
その後の生活に悩まされている方も増えているのです。
注意が必要です。



今日ご紹介させていただくのは、
Nさん、40代の女性の方です。


手術前の痛みから、
都内の大学病院にて人工股関節を勧められ、
その後、夜も寝れないほどの痛み、
移動機能に障がいを抱え、お越しになられました。


手術後、退院時には車椅子、
半年経った当時でも銀座へは歩行器のでの生活です。


担当医師の指示、外来リハビリの進行状況から、
不適切と思われた治療は一旦中止していただき、
内容を絞って、リハビリに取り組んでいただきました。



お越しいただくこと計13回、
約1年での成果です。



 



今では、通勤時こそ杖が必要ですが、
室内では杖なし歩行も可能です。
月一回のペースで、現在も尚リハビリを継続中です。


人工股関節の手術は、
除痛効果に優れた治療方法であることは言うまでもありません。
しかし適応範囲が徐々に拡大されることで、
こうした術後の後遺症に悩みを抱える方も増えています。



学会や勉強会などでも話題に上がりますが、
一旦手術が終わってしまうと、
万が一経過不良でも、
その後の状況が主治医に伝わりにくく、
術後の実態が医療者に理解されていない問題も生じます。


股関節の手術とは、
移動機能に直結する重要な手術です。
念には念を押し、
ぜひ、手術を受けるにあたっては、
最低限のリスクは確認しておきたいところです。




ホームページ
☎03-6252-9070(ご予約・お問い合わせ)

◆各地出張セラピー日程
 大 阪:2014年7月23日(水)〜26日(土)
 名古屋:2014年7月  9日(水)〜11日(金)
 仙 台:未定

◆早朝枠
 朝9時〜の早朝枠をご用意しました。
 お電話にてご相談下さい。

◆インソール
 姿勢、歩きの改善にインソールもご活用下さい。
 オーダーメイド(¥12000)
 スニーカー、フラットシューズ、ハイヒール用(¥5000円)


◆ポケットフィジオ
 股関節まわりの筋肉のコリをほぐすのに有効なマッサージ道具。
 人肌に近い素材の為床に置いても滑りにくく持ち運びにも最適です。
 テニスボールでは満足できなかった方にはお勧めです(¥2100)
 

◆予約状況
 毎月1日に翌月のご予約状況が確認いただけます。
 8月1日に9月の予約表をアップします。

◆勉強会のお知らせ(朝日カルチャーセンター主催)
 股関節痛を抱えた方を対象に勉強会を開催しております。
 

 関東・湘南教室 :8月、9月
 関西・中之島教室:9月
 九州・福岡教室 :未定

 股関節痛への理解を深め、その解消を目指しましょう。
 一生自分の脚で歩くために!



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【人工股関節】手術後の筋力トレーニングは「腸腰筋」に注目

 
 




2009年から変形性股関節症の早期治療の重要性を呼びかけ、
ニーズに見合った保存療法の実践により、
痛みの解消と同時に運動機能の回復を実現してほしい、
との想いから、
インターネットを通じ最新の情報をお届けてしております。
これまで、
全国から本当に多く皆様にご相談をいただけるようになり、
大変嬉しく思っております。
股関節痛もいよいよ手術を防げる時代の突入ですね。
皆さん、自信を取り戻しましょう!


さて今日は、
筋力トレーニングに関する最新の知見をお届けします。


併せて、
未手術と手術後における、トレーニングの考え方についても
私の経験になりますが、ご紹介させていただきます。


まず、人工股関節の手術後です。
関節は治っても、筋肉そのものは治りにくいものです。


症状にこそ差はあれど、
やはりその後の「筋力強化」は欠かせないのでしょう。
その根拠ともいえるのが、
2013年、日本人医師によって発表されたある報告です。


Iliopsoas Muscle Atrophy was Evident in the Patients with Hip Osteoarthritis – MRI Analysis of 800 Cases”


日本人の変形性股関節症の患者さん800人を対象に、
人工股関節の手術前後の「中殿筋(ちゅうでんきん)」
「腸腰筋(ちょうようきん)」の萎縮の程度を調べた結果、
腸腰筋は、中殿筋よりも萎縮率は顕著であり、
その程度と罹病期間や股関節拘縮の間には
相関がみられた、と述べられています。


また、人工股関節置換術後には、
腸腰筋はある程度は回復するものの、
正常には程遠い、との結果です。


中殿筋に腸腰筋、
両方とも股関節症のリハビリでは、外せない存在ですね。
この機会に、
もう一度、その場所と働きくらいは、確認しておきましょう。


まずは、中殿筋です。
お尻の横に存在し、ピザのような形の筋肉。
ぺろっとめくるとその下層には、小殿筋が存在します。





医師の間でも、
決まって中殿筋のリハビリが取り沙汰されます。
変形性股関節症患者さん特有の肩を揺らすような歩き方は、
中殿筋の筋力低下が原因だというのです。
皆さんの中にも、病院リハビリで、
脚の横上げ運動を指導された経験のある方はいらっしゃるでしょう。


実は理学療法士の間でも一時一世風靡し、
筋繊維の種類に応じた、
脚挙げスピードに変化を加えることで、
中殿筋を効果的に鍛えよう、と提唱された時期もありました。


私の経験から申し上げれば、
例えば、こちらの動画でご紹介するようなbefore/after、
明らかな跛行があるような方でも、
中殿筋のトレーニングをお願いしたことは一度もありません。
本当に中殿筋の筋力低下により跛行が起きるのか、
今でも疑問に感じています。


また未手術と、手術後では、対応方法も変わるのでしょうか。


一般的な人工股関節の手術では、
その侵入経路、創跡は、股関節の外側に位置します。
下図のような方法で中殿筋を刺激すれば、
当然、創周囲へも負担になることが予測されます。


最近増えている前方侵入、話題の股関節唇損傷の手術では、
少し前の方に創跡が残りますね。
つま先や膝の向きが少し反れるだけでも、要注意です。





私のところでは、
中殿筋の筋力強化を期待しても、
単独で、鍛えるような方法は一切選択しません。


先日のNHKでも放送されましたね。
ただ、これでは、なかなか上手くいかないものです。


「人間の動き」を想像してみても、
中殿筋ひとつトレーニングしたところで、
全体の運動パターンが改善されるとは考えにくいものです。
運動経験が豊富な方では感覚的に既にお気付きでしょうが、
やはり、どこかの筋肉との連携、対になるような関係が必要で、
中殿筋が働き易いような土台を構築することが、
大切だと思われます。


その上で冒頭にご紹介した研究報告は、
非常に、臨床的にも参考になる内容です。


腸腰筋とは、
下の図のように股関節を股がる大きな筋肉です。






手術後では、とにかくこの筋肉が痩せます。
特に「しゃがんではだめ」「深く曲げてはいけない」などの、
制限付きで退院を余儀なくされた患者さんたちでは、
腸腰筋の筋力低下は避けられないでしょう。


また、保存療法の視点から診た場合、
どの点に気をつける必要があるのでしょうか。


腸腰筋のこの独特な「走行」に注目するとイメージされるように、
上半身を下半身を結び、股関節の直上を通過します。


一歩誤れば、
関節を圧迫するような大きな力を生み出しそうですし、
先の研究でも報告されたように、
この筋肉の機能不全は、可動域制限にも直結します。
つまり股関節の動きが悪くなるのです。
靴下が困難、爪切りが難しいなどの訴えは、
まさには腸腰筋の影響を受けた証です。


もちろん腸腰筋だけのせいではありませんが、
存在位置、力強さの分、他へ与える影響力も絶大です。
使い方によっては、脚長差を引き起こし、
とにかく様々な悪さをするのが、この筋肉です。


保存療法では、
腸腰筋に余計な負担をかけないような身体の使い方を、
まずは日常動作レベルから学んでいただきたい、と思っています。


人工股関節の手術後であっても、
未手術による保存療法であっても、
筋力への適切な刺激は必要です。


それを“筋力トレーニング”と便宜上表現されがちですが、
スポーツジムで汗水流すような、
鍛える一心のハードなイメージよりもむしろ、
これまで使っていなかった感覚を養う、
筋肉に適度な刺激を与える、といった方が
股関節症の方、特に未手術の方へは、望ましいでしょう。
方法さえ間違いなければ、
必要なところへ、必要な分の筋肉は付いてくるものです。


まずは、ご自身の特徴を知り、リスクを想定した上で、
安全に、筋力強化を図っていきましょう。
一度狭くなった股関節の動きを広げるのは大変苦労します。
一旦短くなった脚を整えるのは、
手術でしか方法が無い場合もあります。


定期的に開催される朝日カルチャーセンターでの勉強会でも、
筋力トレーニングの基本的な知識と方法を、学んでいただきます。
ご興味のある方はぜひご参加下さい。




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◆各地出張セラピー日程
 大 阪:2014年5月29日(木)〜5月31日(土)
 名古屋:未定
 仙 台:未定

◆早朝枠
 朝9時〜の早朝枠をご用意しました。
 お電話にてご相談下さい。

◆消費税改訂に伴い4月1日より料金改定となります。
 施術料   初回  20,000円→21,000円(1,000円値上げ)
       継続  9,500円→10,000円( 500円値上げ)
       出張 20,000円→21,000円(1,000円値上げ)
 インソール         11,500円→12,000円( 500円値上げ)
 ポケットフィジオ    2,000円→  2,100円( 100円値上げ)

◆オーダーメイド・インソール
 ginzaplusで学んだ歩きの実践の手助けとなるインソール。
 その場で作成お渡し可能です。セラピーと併せてご相談下さい。

◆ポケットフィジオ
 股関節まわりの筋肉のコリをほぐすのに有効なマッサージ道具。
 人肌に近い素材の為床に置いても滑りにくく持ち運びにも最適です。
 テニスボールでは満足できなかった方にはお勧めです。
 

◆予約状況
 毎月1日に翌月のご予約状況が確認いただけます。
 6月1日に7月の予約表をアップします。

◆勉強会のお知らせ
 股関節痛を抱えた方を対象に「朝日カルチャーセンター」主催の
 勉強会を定期的に開
催しております。
 今回のテーマは「股関節症の方にとっての正しい歩き方の実践」
 5月24日(土)午後12時30分、午後1時45分、計2クラス。
 運動主体の講座です。動き易い格好でお越し下さい。

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【人工股関節】初回、再置換後の痛みの調査







手術の相談に訪ねた、ある病院の診察室での会話です。


患者さん:「人工関節にすれば、どれくらい保つんでしょうか。」
整形医師:「こればかりは分からない。」


人工股関節では有名な先生であっても、
明確な答えは難しいかも知れません。


生活スタイルや活動レベルは個々それぞれ違うため、
一概に○○年、と導き出すのは困難でしょう。
たとえ耐久年数は断定できなくても、

これまでの痛みが嘘のように消える、これは人工関節の大きな魅力です。
スポーツ復帰だって夢ではありません。


しかし、考えておかなければならないのは、
この1年増え続けている、「手術後の痛み」です。
最近話題の長寿命型人工股関節(アクアラ)ライナーであっても、
出るときはでるものです。


興味深い調査があります。米国はメイヨークリニック。
人工股関節の手術後6168人の患者さんを対象に
その後の「痛みの有無、程度」に関する追跡調査を行っています。


報告によれば、
術後の痛みが完全消失するのは約7割。
残りの3割は、強弱に差があれど、
何かしらの痛みを訴えています(Aのグラフ)。




Prevalence of pain preoperative and 2 and 5 years after primary THA (A)
and revision THA (B).



また、下のBのグラフでは、
入れ替え、再置換後における、痛みの変化を示しています。
初回手術時に比べ、その割合が増えています。


但しこれはあくまでもアメリカ人を対象とした調査結果ですから、
日本人とは体格も違いますし、
“長持ちさせる”といった人工関節に対する発想すら異なります。
鵜呑みにはできませんが参考になるデータです。


前述しましたように、
人工股関節を入れると、
これまであった痛みは、(ほとんどの場合)消失します。
ところがなかには、術前より悪化したり、
上記報告のように新たな痛みに悩む方もいらっしゃいます。


メリットやデメリットの告知、
手術前のインフォームド・コンセントがより一層大切である、
と説くのは、同研究の整形外科医師たちです。


More importantly, we presented detailed data related to patient-level clinically meaningful changes in pain severity and ADL limitation that should prove useful for discussion with patients preoperatively. The estimates from this study provide a useful information tool that can be used to enhance patient knowledge and expectations during the informed consent process and allow patients to objectively assess their post-THA goals.

As much younger patients now undergo THA, patients have higher expectations of THA, such as improvements in social participation, sports and leisure activities. Thus patient expectations are not limited to improvements in pain and function. Therefore our study data are especially relevant for patients with a range of expectations. These estimates are a good source of information to be provided to the patient before THA. Physicians can be proactive in sharing this information so that patients can review these numbers to better understand the benefit of THA, have realistic expectations of THA and can make a more informed decision.


対象者の拡大、若年化に伴い、
手術に対する過剰な期待へ注意を呼びかけています。


手術をためらい、悩む方のほとんどは、
手術に対する“(医療者側の)説明不足”であり、
言葉を変えれば、“(患者さん側の)理解不足”ともいえるでしょう。


「良くなることだけを言い渡されるのも不安。
やはりデメリットも隠さず提示してほしい」、
ある患者さんからのメッセージです。


手術適応の貴重なタイミングを逸してしまうのは、
もしかすると医療者側の配慮に欠けた
コミュニケーション不足にも問題があるのかも知れません。


保存療法も同じように、
数回の施術、もしくは初回であっても、
将来的に改善が難しいと判断される場合には、
保存療法を継続することでのデメリット、
◆手術後のリハビリが大変になる、
◆術中のリスクが増える、
などを予めご説明し、
了承が得られた上で、保存療法を継続していきます。


その間は手術も視野に入れていますから、
手術に向けての準備期間とも捉えられ、
術後に予測される合併症、例えば、こちらで多く拝見する、
◆脚長差、
◆股関節周りの突っ張りや痛み、
◆跛行
などに備え、
術前から十分に股関節の状態を整え、
同時に、手術に対する正しい知識も学んでいくことも不可欠でしょう。
用意周到、ここまで撤退し、手術に臨めると、
やはり手術後の満足度は高いですし、
何よりその後のトラブルも最小限に抑えられています。


繰り返しになりますが、
人工股関節の手術は、
痛みの除去において素晴らしい治療方法のひとつです。
ただ一方で、術後の痛みに悩まされている方も増えています。


デメリットを限りなくゼロに近づけるためにも、
現状を改めて見つめ直し、未手術では改善が困難な方へも、

安心で確実な治療法としてお勧めできるよう、
“どうしたら手術後の満足度を高められるか”
保存療法の立場から、
改善策を企てていきたいと考えております。


日本全国、股関節の手術では、
有名な病院で治療された方が大勢おみえになります。



手術後のリハビリにしっかり時間をかけたい方。
短期間で手術を済ませ、社会復帰を考えている方。
長寿命型の人工関節を入れたい、とご希望の方。
術後にスポーツ復帰をお望みの方。
傷口が小さい手術をお望みの方。


手術の必要性の有無やタイミングの判断とともに、
ご自身のニーズに合った人工股関節の手術ができる専門病院を
私が知る範囲内で、ご紹介させていただきます。





Patient-level clinically meaningful improvements in activities of daily living and pain after total hip arthroplasty: data from a large US institutional registry.
Rheumatology (2013) 52 (6): 1109-1118.




 

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◆各地 出張セラピー
 予約フォームからお申し込み下さい。  
 大 阪:11月26日(火)〜28日(木)
 名古屋:12月予定
 仙 台:未定

◆早朝枠
 朝9時〜の早朝枠をご用意致しました。
 初めて、継続の方でも承れます。
 お電話、メールにてご相談下さい。

◆オーダーメイド・インソール(価格¥11500)
 正しいな姿勢、歩きの実践のために、
 インソールを作成しております。
 所要時間約30分程。セラピーとも併用可能です。
 事前にご相談下さい。

◆ポケットフィジオ
 持ち運びに便利な筋肉をほぐす道具のご紹介です。
 人肌に近い素材のため床でも滑りにくく、
 股関節周囲のマッサージに最適です。
 テニスボールでは使い勝手に苦労されていた方お勧めです。

  

◆予約状況
 毎月1日に翌月のご予約状況が確認いただけます。
 11月1日に12月の予約表をアップ致します。

◆【一般の方向け】勉強会のお知らせ
 朝日カルチャーセンター主催
 「股関節痛の予防と対策〜姿勢、歩き方にも着目して〜」
 日時:平成25年11月9日(土)午後1時〜、午後3時30分〜
    平成26年 2月 1日(土)午後1時〜 
 場所:神奈川県藤沢「藤沢ルミネプラザ9階」 
 お問い合わせ、お申し込みは、
 tel 0466-24-2255、またはこちらまでお願い致します。

 9/10付けの「朝日新聞」でもご紹介いただきました。

  



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