【股関節唇損傷】股関節鏡治療の影を光に

 

股関節鏡の手術により関節症が進んでしまい、人工関節を余儀なくされご相談頂くケースが増えています。

 

中々医療現場の専門家の口から説明されることは少ないかも知れませんが、先日の股関節学会でも関節鏡による合併症として軟骨損傷が高頻度で起こることが報告されています。50歳以上を対象に関節鏡を行う場合には、人工関節の導入も視野に入れた術前説明が必要であることも述べられています。

 

最も危惧されるのは、現在、日本で盛んに行われる臼蓋形成不全に対する股関節鏡治療です。全国から関節鏡視下手術後の方たちを拝見しますが、順調に回復した方とそうではない方、その落差は凄まじいものがあります。今年参加したいくつかの国際学会でも日本での現状を話すと、専門家からは否定的な声が返ってきます。アメリカやオーストラリアなど先進の国々では反対する意見が圧倒的です。変形性股関節症と混同してはならない、彼らの考えです。

 

但し日本においては、2016年から内視鏡を用いる手術の保険適応が拡大され、股関節においても例外ではありません。そのため今後は益々、人工関節に満たない年齢層または骨切り手術には子育てや仕事など社会的な面から難しいと判断された股関節痛患者さんを対象に、これまで以上に股関節鏡による検査や治療が勧められる機会が増えることが予測されます。

 

過去の失敗(=影)からどう発展(=光)へと繋げられるのか、まさに正念場を迎えているのでしょう。

 

本日は症例紹介です。

30代の女性です。

 

【医療機関で診断された病名】

股関節唇損傷、臼蓋形成不全(寛骨臼形成不全) 

 

【解説】

数年前にヨガにより股関節に違和感を生じ、その後は症状は繰り返していたものの自制内であったため、

運動やジム通いは継続していました。

ところが数年経って突然、座っていても歩いていても痛みが持続するようになり、近所の専門病院の医師からは、股関節唇損傷との診断が下されました。これまで病院でのリハビリやブロック注射を試みてきましたが、一向に改善の兆しがみれず、ご友人の付き添いのもとginzaplusへご相談頂きました。

当初は松葉杖を使用するように指導され重篤に見受けられましたが、数回の施術後は、徐々に痛みは解消され、通常の生活が送れるようになり、最近ではジム通いも再開されています。

 

【理学療法士コメント】

近年、股関節鏡視下手術による合併症が急増する中で、理学療法士に求められる役割とは、その適応を見極めることです。あるプロスポーツチームの調査結果では、股関節唇損傷が確認された選手の約半数が痛みを訴え、残りの半数は画像上の異常が確認されても痛みを訴えなかったとの報告があります。つまり、股関節を酷使するようなアスリートでは股関節唇損傷も避けられない場合があり、治療対象となるかは手順を踏んで精査していく必要があります。度重なる画像診断や高額な検査よりもまずは保存療法、問診こそが鍵を握ります。受傷に至った経緯やその後の受診歴を辿れば、おおよそ痛みの原因は推察できます。今回のケースのように身体的な要素よりも受診時の精神的なショック、メンタルが主要因となれば、治療前にしっかりとした状況説明をし、理解が得られた時点で直ちに動いていくことが大切です。アスリートにとっては安静こそが大敵であり、極端な安静は関節の硬さや筋力低下を招くばかりか余計な不安を植え付けることで治癒を遅らせ、結果、現場復帰を諦めざるを得ない場合すら存在します。

痛みがおさまり精神的にも安定を取り戻せたならば、再発予防へ向け、今後はご自身が主治医となり症状を診れるよう、ケアの仕方や基本的な知識を習得して頂きます。また、同じ股関節痛でもメンタルが主要因となった場合、継続的な関わりが必要となることもあるため、いつでも連絡が取り合えるようなサポート体制が極めて重要といえるでしょう。

 

【痛み】

「今は股関節よりも腰が痛い。」

 

【ginzaplusへの期待】

「痛みをとりたい。普通に歩けるようになりたい。」

 

【施術期間】

約1年、計3回。

 

【施術前】

 

 

【施術後】

 

 

ginzaplus 佐藤正裕

 

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【股関節唇損傷】股関節鏡治療の光と影

 

先日のブログの中でも触れましたが、

今回の股関節学会では「股関節鏡治療の光と影」というテーマで、

股関節鏡治療の現状について専門医による討議が行われていました。

 

たとえ手術をしても

うまくいった方とそうではない方がいる。

この違いは一体何なのでしょうか。以下、同学会の抄録からの引用です。

 

2003年にGanzらによってFAIが提唱され、その後アメリカを中心に普及した股関節鏡手技の発展によりわが国でも急速な展開がみられました。しかし、わが国の股関節症は臼蓋形成不全を背景としたものが多く、いわゆるスポーツ障害と同じ土俵で扱うことは困難です。また股関節鏡の手技のコンセンサスが未だ変動していることを考えると、外国の先生がこう言っているからとか、エビデンスはこうだからと信じるのは危険であり、まだまだわかっていないことが多のも現実かと思います。「手術は上手くいった、でも術後経過が期待と違った」という経験も少なからずあると思われます。経過が良くない症例は、術者ではない先生や施設で診察することも多く、今回は、股関節鏡を自ら行わず横でみておられる先生にも参加して頂いて考えを述べて頂きたいと思います。保険改正もなされ今後手術が増加することが予測されますが、不幸な患者を増やさないためにも、啓蒙的な内容にしたいと考えております。

 

ginzaplusへはほぼ毎日のように

股関節唇損傷関連の痛みでご相談を受けます。

この2ヶ月間だけでも問い合わせメールは16件。

これだけ多くの方たちが悩んでいらっしゃるのです。

 

1.「こんにちは。○○と申します。ホームページ拝見させて頂き、どうにか助けて頂きたいと思い、ご連絡しました。
今年の5月にヨガで股関節痛が出現し、四ヶ所目の病院で股関節唇損傷と言われました。痛みがどんどん強くなってきていて、仕事も続けられるか心配になってきています。鹿児島在住なので、すぐには行けないのですが、予約が12月に取れたらと思っています。
予約システムは二ヶ月先までしか取れないのでしょうか?どうか、よろしくお願いいたします。」

 

2.「はじめまして、こんにちは。右股関節唇損傷術後(昨年10月)以降リハビリを続けていまして、そうしている内に左股関節も痛くなり、今回はオペを回避できないかと考えています。ネット上の予約が11月末まで埋まっていて取れない状態の場合、予約はどうやって取ったらいいでしょうか?」

 

3.「ネット上にて「股関節唇損傷 痛み」の検索を行い一番最初に表示されました
こちらの医院を拝見し、問い合わせさせていただきました○○と申します。
初めまして。以下、箇条書きにて簡単な経緯および現状、どう対応すべきかのご質問を記したいと思いますので、誠にお手数かと存じますが、ご回答の程をよろしくお願い申し上げます。
(経緯)
平成27年10月、就労中に股関節を負傷。最終的に「股関節唇損傷・軟骨障害と診断される。経過観察や検査を経て平成28年7月19日、関節鏡視下術実施。8月2日退院。以降、週一ないし週二ペースでのリハビリを受けながら現在に至る。
(現状)
去る9月下旬に担当医の外来受診中、動きの確認と称して無理に股関節を左右に旋回されたことが元でこれまで感じたことがなかった激しい痛みが現れ現在もその影響により、それまで順調にリハビリが進んでいたところメニューがこなせず退院直後レベルまで巻き戻された状態になっています。そして、今月末をもってリハビリも終了宣告されています。担当医からの症状固定はまだ出ておりません。
(ご質問)
現在のリハビリは主に患部周辺のマッサージや可動域を確認しながらのベッド?台?での軽めの運動が主となり、トレーニングと称されるものは一切出来ておりません。(外来受診前まではマット上でのトレーニングが出来ていました。)
かと言って自主トレもなかなか捗らず、以前は動けていた動きが出来ないもどかしさでイライラとする日々を過ごしております。
痛みも激しい痛みこそ頻度は減りましたがまだまだ歩行も引っかかり感と鈍いズキズキとした痛みが残っているのですが、自身の痛みに対してやリハビリ、外来受診にどう対応していくべきか悩んでおります。
よろしくお願いいたします。(長文・乱文お許しください。)」

 

4.「股関節唇損害の内視鏡手術後3ヶ月がすぎ 日により違いがあるものの 痛みと違和感が消えません 主治医によるリハビリの指導は無く同じ病院の理学療法士によるリハビリを 週二回 自分でジムに通い筋肉トレーニングしています リハビリしてもらう理学療法士も5人目と変わります。少し方針もそのたびに変わります しっかりハッキリした目的と指導を受けながらリハビリしてもらう必要があるのではと思い 問い合わせしてみました」

 

5.「近所の個人の整形外科では病名を教えてもらえませんでした。様子を見てからとのことでした。整形外科の専門病院では右股関節唇損傷と言われました。どちらもレントゲンを取りました。消炎鎮痛剤のシップが出ています。痛くない日もありますが。痛みがある日はびっこひきひき歩いています。12月より仕事が始まりますが不安で仕方ありません。痛みが軽減する方法を教えていただきたいのです。宜しくお願いいたします。」

 

6.「お世話になります。左股関節痛があります。5ヶ月程前からです。〇〇病院股関節外来でMRIの結果、FAIとの診断でした。
水が溜まっていました。大腿骨から頸部にかけて穴があいているような所見でした。私も一応医師ですがFAIは初耳でした。股関節専門医からは手術成績が芳しくないので消炎鎮痛剤で様子みようとのお話しがありました。ネットでFAIを調べていたところginzaplusさんに出会った次第です。散歩やジョギングが好きだったのでまた楽しめる日が来てほしいというのが私の贅沢な希望です。少なくとも仕事や日常生活で痛みを感じずに過ごしたいものです。症状は、歩いている時は股関節の前あたりが痛いです。時に股関節の中でガクンと引っ掛かりズレのような感じの後、激しい痛みがおきます。その後は寧ろ歩きやすくなるということもあります。歩いている時つま先がひっかかりやすいです。股関節の状態(位置?)により膝の動きも制限される感じがあり痛むときもあります。以上、こんな感じです。よろしくお願いいたします。」

 

7.「医師からは股関節唇が切れている可能性が高く、手術を提案されています。症状は、左側の股関節周辺、臀部の痛み、腰、背中の筋肉の痛み、長時間の歩行で、さらに痛みが増します。歩行の中に、股関節が骨が当たるような感覚があります。」

 

8.「股関節の関節唇に2センチ程度(3センチ)未満の傷があるとMRIでわかり、関節唇損傷と診断され、やっと痛みの原因を知ることができました。手術についても説明をいただきましたが、可能なら保存療法でなんとかしたいと思い、こちらを見つけ、お世話になりたいと思いました。よろしくお願いします。」

 

9.「医師より症状(痛みなど)が進行する場合はすぐ手術する方がいいと言われている。現在の痛みは股関節唇損傷の痛みが大きく、その部分だけの手術だとすぐに再発するため骨切り手術を進められているが後遺症を考えるとできる限り避けたい。これまで軽症と思われた痛みはここ2,3か月でひどくなり、一応普通に歩けてはいるが、1日のうち痛みを感じる時間の割合がかなり高くなり場合によっては家事やパート仕事に少しずつ影響が出始めている状況。股関節周りの筋力を強化するためのストレッチなどの療法は痛みを感じるは避けた方が良いと言われていますが、何らかの痛みがほぼ常にあるとそのストレッチすらできない・・・でしょうか。そのストレッチについても、運動などが得意ではないため継続していくのがなかなか難しく感じます。どうしていいかわからず途方に暮れている状態です。」

 

10.「1年ほど前から、股関節を柔らかくしたいと思い、両足の裏を合わせて前屈したり、開脚して前屈したりを繰り返したところ、過度な体勢になったせいか、両側大転子あたりに痛みをおぼえるようになりました。大学病院にてレントゲンを撮ったところ、骨の形態には異常なく(軟骨の隙間も十分あり臼蓋形成不全でもない)、股関節唇損傷の疑いがあるとのことです。しっかりとした判断をするにはMRIではなく股関節鏡でないと解らないとのことでした。医師の所見では、手術は勧めない、痛くなる動作をせず、腹筋、背筋、腸腰筋を鍛えて様子を見るようにのことでした。あぐらは普通に出来ます。靴下も立ってはけます。車の乗り降りも大丈夫です。歩くと鼠蹊部や大転子あたりに違和感があります。股関節を内転させると痛みがあります。常に大転子あたりや鼠径部に痛みがあり、日中も横になることが多いです。精神的にも非常につらく、心療内科でうつ病の診断を受け投薬治療中です。手術は絶対にしたくありません。ネットでも保存療法の具体的な情報がありません。歩きかたや運動療法で改善できないものかと思い悩む日々を送っています。
以前のように、趣味のバドミントンを楽しんだり活動的な生活が送りたいです。」

 

11.「6月初めくらいから時々、大腿部前面に違和感と痛みがあり、整形外科にて脊柱管狭窄(L3/L4)と診断をうけ、ソキソニンと湿布を処方されました。あまり状態が変わらないのでもう一度整形外科にて股関節のMRIを撮ってもらったところ、股関節唇損傷だと思われるとのことで、鎮痛剤(トラムセット)を処方されました。安静時は痛みはないのですが、立って作業をしていたり、歩いていると突然、痛みが走って動けなくなります(毎回ではありません)。」

 

12.「年末に駐在先のシンガポールにて両脚共に手術(掃除と少し削ったのみ)
リハビリもほとんど出来ないままに帰国。鍼と整形外科のリハビリに通っているが(鍼は終了)
左足の可動域が極端に狭くなって来た。」

 

13.「今年春頃鼠蹊部の痛みを感じ、ストレッチをしたら痛みが強くなる。
その後鼠蹊部以外の股関節の痛みが強くなる。病院でMRIを撮り、股関節唇の疑いと言われ、痛み止めと湿布薬を貰う。
鼠蹊部のシャープな痛み(動かした時のみ)、股関節の鈍い痛み、足先のしびれ、こわばり」

 

14.「左股関節唇損傷、服薬、リハビリ療法中。10分の歩行も辛く、股関節を捻る、内外旋、屈曲時に激痛あり。 訪問看護、声楽家として、舞台上でのダンスなどの 様々な動きが困難。」

 

15.「月に一度、ステロイドの注射で温存治療をしていましたが、1年続けてこれ以上はステロイドを続けられないとのことで、他の温存治療方法を探しているところです。日常生活の中でも常に股関節の痛みがあります。
股関節しん損傷と診断されているのは左のみですが、右も近い状態になってきているとこのとです。」

 

16.「サッカー、マラソン、空手、自転車、サーフィンなど長年スポーツをしてきました。 8年ほどまえ腰痛が発症し、その後足の付け根にも痛みがでるようになり、大学病医院へいったところ、臼蓋形成不全、変形性股関節症と診断されました。 大学病医院より紹介を受け5年前に〇〇病院で内視鏡手術を受けましたが改善はありませんでした。 最近は痛みがひどくじっとしていても痛みがあり困っています。」

 

寄せられるメールをご覧頂ければ、

股関節唇損傷を取り巻く現状がご理解頂けるでしょう。

手術への適応や長期的な成績は未だ不透明な点が多く、

術者や医療機関により得れる情報にもかなりの差があるようです。

 

手術による安全性が確認されるまでにはもう少し時間がかかりそうです。

 

こうした現状だからこそ、

股関節唇損傷との診断でもまずは診療ガイドライン通り

保存療法からはじめてみて下さい。

 

ginzaplus 佐藤正裕

 

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【変形性股関節症】小ネタ@股関節学会

 

今日は股関節学会での小ネタ、

私なりの楽しみ方をご紹介します。

 

まず「学会」というと、

何か特別な、専門家以外の人は足を踏み入れることができない

と思われがちですが、

実際には様々な職種が出入りし

最近では杖をつかれた患者さんの姿も目にします。

 

股関節学会に登録していると決まって学会直前には

下の写真のような分厚い資料が送られてきます。

その中から予め興味を持った演題や発表を

ピックアックしておくと当日は効率的に回れます。

 

 

何といっても旬な情報を瞬時にキャッチできる、この学会の魅力です。

インターネットの影響からか色々な情報が蔓延しますが、

一年の総まとめ、知識の整理に大いに役立っています。

 

残念ながら今年は、保存療法に関する話題はほとんどありませんでしたが、

手術を行う医師からも「筋肉」に着目した報告が数件聞かれました。

 

手術前後での筋力の回復に関する研究や

筋肉にターゲットを絞った痛み治療の報告など

数こそ少ないですが将来性を感じさせる有意義な報告です。

 

その中のおひとり、

ある医療機関の整形外科医師とタイミング良くご挨拶できる機会に恵まれ

自己紹介を交えながらお話させて頂きました。

実はこちらの先生、手術経験豊富にも関わらず保存療法派。

患者さんが望めば手術もなさるようですが、それ以外、

診察時にはほぼ保存療法の話ばかりだそうです。

 

こういった情報交換の場がもてるのも

この学会ならではの魅力ですね。

 

また興味深い点としては、

研究に対する思いやその背景を直接確認できることです。

例えば、あるセッションの中で症例検討が行われていましたが、

「10代男性、スポーツに熱心でスポーツ中に発症した股関節痛。

CE角は20度以下の臼蓋形成不全。本人はスポーツを継続したい。

さぁあなたなるどうする??」

そんな内容の演題が壇上の先生方や会場に届けられたのですが、

ある大学病院の医師が「骨切り手術」を提案されたところ、

すかさず会場から(テレビでも有名な医師ですが)

「骨切り手術をしたら好きなスポーツも続けられなくなる、

それでも行うべきなのか?」との意見が述べられていました。

こうした展開もまさに私からすると、

両医師の担当患者を日頃拝見させて頂いているので、

患者さんの心境や告げられた治療方針の意図が理解できるようで

非常に参考になります。

 

臼蓋形成不全のセッションの中では、

「日本人の変形性股関節症の約8割は臼蓋形成不全である」と

報告された有名な専門医の口から、

臼蓋形成不全から発症する変形性股関節症には、

「骨の問題だけではなく、

性別、スポーツ、仕事などが関与する可能性がある」

後付けで報告されたことも現場でしか聞けない大きな収穫です。

 

もう一つ、

学会での楽しみ方としては外国人医師による講演です。

今回はアメリカ人医師による

前方侵入による人工関節に関する話がありましたが、

日本では前方侵入の手術は、

単に入院期間が短い、侵襲が少ないなど

のイメージが先行しがちですが、

実際にはそれ以外にも多くのメリットがあることが分かりました。

 

様々な情報も日本語というフィルターを通してしまうと、

本当の真意が伝わりにくくなりますが、

実際の現場の声を生で聞くと真意が伝わりやすくなります。

特に変形性股関節症の治療領域、やはり先進の国から学べるものは

その言語を通じて学ぶべきなのでしょう。

 

学会では、

各地の医療機関で精魂込められた作品(研究)が一度に聞ける貴重な場です。

論文では表現されなかったその裏側を読み解けるのも

研究者の本音が聞けれるのも、

この場に参加することで得られる特権でしょう。

来年は、東京・新宿で行われます。

手術を考えている方、また、

どこの病院で手術を受けようか迷っている方、

参考になる情報が聞けるかも知れません。

 

ginzaplus 佐藤正裕

 

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【変形性股関節症】第43回日本股関節学会学術集会に参加して

 

「先生、もうブログは書かなくなっちゃったんですか」

忙しさを理由にブログから遠去かり申し訳ございません。。。

 

関東の方には定期的にお目にかかれても、

地方にお住いの方には中々お会いできませんので、

せめてブログを更新する事で少しでも身近に感じて頂ければ、

とも思っています。

 

今日は先日参加した股関節学会の報告です。

記憶が新しいうちに簡単ではありますが、

まとめて記しておきます。

 

まず、私自身が興味があった内容は以下の4つ。

 

「大腿骨頭壊死症の新しい予防と治療」

「股関節鏡治療の光と影」

「ボーダーライン寛骨臼形成不全の外来診療」

「成人への橋渡しとしての小児股関節治療」

 

 

「大腿骨頭壊死症の新しい予防と治療」

 

 

まず最初の大腿骨頭壊死については、

最近上記診断名で施術を希望される方が急増しているため、

最新の治療事情について知る必要があると感じ参加させて頂きました。

 

基本的な病態についてはホームページを参照して頂き、

治療の上で大切な考えとは、

「発生」と「発症」どちらをターゲットに絞り治療を行うか、です。

一般的に壊死は発生しても無症状である事が多く、

骨頭が潰れ圧壊し始めると痛みが生じます。

今では骨壊死に対し早期治療促進を目的に最小侵襲治療が行われ、

同時に、骨壊死発生そのものを予防に治療も行われています。

 

薬物、再生医療等が利用され、

初期の段階であれば、良好な成績が各医療機関から報告されています。

しかしstageが進行した例となると現時点では厳しい状況です。

 

 

「股関節鏡治療の光と影」

 

 

日本でも急速に広がりつつ股関節鏡による検査や治療。

しかし実際の現場では成功例ばかりではなく、

症状が悪化した例が後を絶ちません。

そのため、実際に治療あたる医師の見解を改めて確認する必要があります。

 

まず全体的な治療成績の印象としては、

「寛骨臼形成不全(臼蓋形成不全)と伴う股関節唇損傷」、

「45歳以上」では成績不良が目立ち注意が呼びかけられています。

ある医療機関では50歳以上では人工関節に至る例が約20%、

と報告されていました。

 

また近年話題に上がるFAI(大腿骨寛骨臼インピンジメント)と、

寛骨臼形成不全に伴う関節唇損傷では、

損傷の程度や形態が異なる事が示されていました。

 

最後の討議までは参加しませんでしたが、

股関節鏡だけ全てを解決するのは難しく、

必ず、人工関節とセットで向き合うべきと警告されていました。

おそらくこの背景にはこの数年急増した変形性関節症患者さんに対する、

股関節鏡治療の術後成績を受けて、と思われます。

 

 

「ボーダーライン寛骨臼形成不全の外来診療」

 

 

3つ目に聴講したのはボーダーライン寛骨臼形成不全、

と称される新たな概念です。

昨年まではFAI、股関節唇損傷が注目を集めましたが、

来年以降おそらくこの言葉を耳にする事が多くなると思われます。

 

日本では変形性股関節症の大半がこの寛骨臼形成不全保有者と

理解されます。

しかしながら、同じようは骨の特徴を抱えていても、

若年で発症する人もいれば中年以降発症する人、中には、

何も症状が起こらずに亡くなられる方もいらっしゃいます。

 

教科書的に被りが浅いからとの理由で「将来人工関節なる」

といって危機感を煽ったり、

専門ではない医療者が外来診療を長期間引っ張り

症状の軽い方を進行期や末期に至らせ、

手術のできる医療機関を紹介する、

といった事態を重く受け止めています。

 

「いずれ悪くなるから手術をしましょう」

「このままだと車椅子になる」、

こうした医師の多少脅かし気味のアドバイスにも

問題を投げかけていました。

 

まだこの話題が取り上げられはじめの段階ですので

結論には至っていませんが、

ある大学病院の先生の報告が非常に印象的でした。

 

臼蓋形成不全を長期に渡り追跡調査を行った結果、

CE角20度以上のボーダーライン寛骨臼形成不全では

ほとんどの例で症状は進行せず経過良好であったとのことです。

 

 

「成人への橋渡しとしての小児股関節治療」

 

 

最後に変形性股関節症の予防という意味で外せないのが、

幼少期からの指導です。

医療機関では小児科がその役割を担いますが、

股関節痛みを生じさせない、

生涯に渡って自分の脚で歩けるかどうかは、

小さい頃からの意識付けにかかっています。

 

例えば、

臼蓋形成不全を診断されると重篤な病を背負ってしまった、

と医師から説明を受け

深刻な事態と受けとる方もいらっしゃるかも知れません。

ただ臼蓋形成不全にも先天的、後天的二つの要因があり、

また先述の長期成績のように必ずしも臼蓋形成不全があるからといって

悪化するものばかりではありません。

仕事、運動経験、生活習慣、

こうした点が症状の進行に関与していると思われます。

 

最近は小学生に上がる前のお子さんもよくご相談にみえます。

小児期の外科治療に熱心な先生では、骨切り手術を勧めます。

それでも12〜15歳まではまだ骨の成長はまだ分かりません。

その先の予測も難しいでしょう。

 

マラソンランナーの有森さんは

両股関節の脱臼をきちんと治療しその後大活躍されました。

 

 

個々それぞれ状況が違いますので、

ご自身の状態を正確に把握する努力が必要です。

 

今年はオランダでのOARSI、スペインでのBMJD、そして日本の股関節学会と

それぞれ趣向が異なる3つの学会で勉強させて頂きました。

海外の変形性関節症に対する考え方と日本での受け止め方は

丸っ切り違いますが、それはそれで非常に勉強になります。

 

置かれた状況の中でどう最前を尽くすか。

 

来年以降も学べる機会を増やしながら、

変形性股関節症への理解を深め、幅を持たせ、

症状と向き合うことで、

ひとりでも多くの方の助けになれれば、と思っております。

 

ginzaplus 佐藤正裕

 

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【変形性股関節症】福岡出張施術&講演会のお知らせです

 

先週は学会でスペインに滞在していました。

スペインという国は初めてでしたが、

街中を歩き、地元の方たちと触れるとその国の健康事情が分かります。

まず気がついたのは、

杖を使用している方をほとんど見かけなかったことです。

1週間の滞在で10人に満たないほど。

日本よりも大柄な太った人は少なく、

朝から晩まであちらこちらで運動している人をよくみかけます。

歩くスピードは日本人以上、グイグイ追い抜かされました。。。汗

 

また美食といわれる国だけあって、食事はいたってヘルシー。

国の政策なのでしょうか米国系のジャンクフード店や

コンビニエンスストアーも少なく、

加工食品よりも手をかけたメニューが店頭に並びます。

 

帰国し改めて調べたところ、

やはり平均寿命も日本とさほど変わりません。

医療体制は日本の方が優れているように思われますが、

個人の健康への意識、生活の上での豊かさは

スペインの方が上のようにも感じられました。

 

世界保健機関(WHO)のWorld Health Statistics 2016(世界保健統計2016)

 

さて、今日は勉強会のご案内です。

 

年内最後となりました勉強会は福岡・博多で開催されます。

今回は今年参加してきたオランダ、スペインでの学会報告を交えながら、

股関節痛の予防と対策に世界はどんな取り組みを行なっているのか?

その考え方や具体的な方法について、

各国の実績をもとにご紹介させて頂きます。

 

また地域柄、

九州では骨切り手術と関節鏡が盛んに行われています。

そのメリットやデメリットに関しても、

実際の手術後のVTRをご覧頂きながらご説明させて頂きます。

 

 

既に残りわずかとなっているようです。

ご希望される方は、

「朝日カルチャーセンター福岡教室」までお願い致します。

 

それと併せてマンツーマンによる施術も受け付けております。

こちらも残席わずかです。

沢山のお申し込みをありがとうございます。

 全日程ご予約済みとなったためもう1日追加しました。

 11月30日(水)〜12月3日迄に変更です。

 

詳しくはホームページをご参照下さい。

 

 

ginzaplus 佐藤正裕

 

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